アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第3話 ガンシップ対宇宙船3〜
    数日掛けて、広島は呉の港に戻る。そこで目にしたものは、想像を超越した様相だった。
   既に存在していて、後は出すだけだとエリシェは言っていた。その意味合いが正にこれだ。
   目の前に超絶的に鎮座している。

    今となっては、レプリカ大和とレプリカ伊400は見慣れたものだ。しかし目の前にある
   のは、何と5倍以上はあろうかという同2隻があったのだ。レプリカ大和自体は263m、
   レプリカ伊400自体は122m。その5倍である・・・。

    これが見下されないようにするための特効薬か・・・。と言うか既にこの超巨大遺物を建造
   していたのにも驚くしかない・・・。

    まあこの追加の2隻を出したという事は、それだけ切羽詰った状況と言える。先刻の宇宙船
   の問題もあるしな。ありとあらゆる事態を想定せねば危うくなる。


ミスターT「・・・5倍なのかこれ・・・。」
エリシェ「はい。ですが、若干の追加改修はしています。それにより、オリジナルとは完全に掛け
     離れた様相になりました。46cm主砲が副砲当然の扱いになっています。武装の配置は
     第3砲塔部に三角型で3門。あ、サイズは据え置きの46cmになります。」
    化け物過ぎる・・・。あの天下の46cm主砲が副砲扱いと言うのは・・・。しかも従来の
   46cmを複数搭載と・・・。そして一際目立つのは、5倍からなる超絶的な主砲だろう。
ミスターT「・・・これ、第1砲塔部は46の5倍か?」
エリシェ「はい、230cmになります。第2砲塔部は3倍の138cmを左右2門ずつ。」
ミスターT「はぁ・・・230cmと138cmねぇ・・・。」
   本当に5倍の規模にした形になる。しかも第1が5倍・第2が3倍・第3が標準だ。そう、
   第3砲塔部が標準なのがおかしすぎる。オリジナルの大和の主砲が副砲以下の扱いだ。もはや
   地球外規格の超巨大戦艦と言えるわ・・・。
エリシェ「ただ、物理的に主砲旋回範囲の問題が出てきます。第1砲塔は左右180度が限界範囲。
     第2砲塔は第1砲塔に重ならないようにするため、正面から135度が限界範囲ですね。
     当然、一段高く設置してあります。また左側と右側に分かれて展開しますが。」
ミスターT「第1砲塔の様に柔軟には動けなくなるか。」
エリシェ「ええ。第3砲塔は更に複雑です。第3砲塔の第1砲は左右180度まで可能ですが、その
     後ろの第2砲・第3砲は第2砲塔と同じ扱いになります。前後と重ならないように上段に
     設置してありますが、旋回範囲は第1砲塔と第2砲塔と同じと考えて頂ければ。」
   物理的な要因で、主砲同士がぶつかり合う場合もある。オリジナルの大和や武蔵は、第1砲塔
   より第2砲塔が高い位置に配置されていた。お互いに干渉しないようにさせるための配慮だ。
エリシェ「オリジナルやレプリカの様な、左右合計約200度範囲の旋回はできなくなりました。
     それを補うために左右に同門を配置した訳で。オリジナルやレプリカと同じ単発式の発射
     になりますが、死角の方は確実に消えたと思います。」
ミスターT「まあねぇ・・・。」
   化け物としか言えない仕様には、ただただ圧倒されるしかない。5倍の規模にしたから、この
   様な超武装が可能になったのだ。特に230cm主砲は前代未聞である・・・。

ルビナ「今回は私達の技術力も提携しましたので、この規模になりましたね。」
ミスターT「サイズも1315mと610mか・・・。」
ミュティナ「ですね。超レプリカ大和は1315m・超レプリカ伊400は610mです。」
ミスターT「・・・・・。」
    絶句するしかない。1300m超えの超戦艦と、600m超えの超潜水艦だ。ただ漠然と
   巨大にした感じにしか見えない・・・。
ミスターT「・・・230cmの主砲って、正に大陸間弾道弾そのものだな・・・。」
エリシェ「実際に試射をした事がないので、どの様な結果になるのか未知数ですが。」
ミスターT「発射後に沈む・・・事はないか。重力制御の理の前では、如何なる反動も小船が小さく
      揺れるが如くだわな。」
   この追加の2隻はどれも規格外である。漠然と5倍にした感じだから、船内移動に関しても
   5倍の時間が掛かるのは言うまでもない。


ミスターT「超レプリカ大和に関しては大凡分かった。超レプリカ伊400は?」
エリシェ「こちらはあまり変わりません。むしろレプリカ大和の十八番たる、46cm主砲を同艦の
     様に三角型左右に配置にしました。隙がなくなったと言えます。中央は3倍の138cm
     主砲になります。ただ大和の三連砲仕様ではなく二連砲になりますが。」
ミスターT「それでも隙なんかできるのかね・・・。」
    超レプリカ大和のサイズは超絶的だが、超レプリカ伊400はロシアのタイフーン級潜水艦
   の倍はある様相だ。つまり世界最強の原子力潜水艦の規模にまで拡大した事になる。当然だが
   全ての部分を5倍にしたため、艦橋も5倍の大きさに至っている。全てにおいて5倍の規模と
   言うのは・・・。これは母艦となる超レプリカ大和も同じだ。
ミスターT「艦橋も5倍の大きさは・・・。」
エリシェ「規格からして、丁度良いと思いますよ。船体に併せて艦橋も巨大化させないと、バランス
     が取れません。それに巨大化させる事で電子頭脳の面も超強化ができましたし。また艦橋
     にそれぞれ、小型武装は一応搭載させてあります。」
ミスターT「縮尺からすれば漠然と巨大化させた感じになるが、実際の内部構造は激変していると
      いう事になる訳だな。」
エリシェ「攻撃面でも防御面でもレプリカを遥かに超える様相になりましたし。」
ラフィナ「ちなみに、超レプリカ伊400にはハリアーU改が10機格納できますよ。」
ミスターT「正に潜水空母だな・・・。超レプリカ大和の方は?」
ラフィナ「24機ですね。あくまで局地的な迎撃戦闘機になるので、空母ほどの搭載でなくても問題
     ありません。」
   う〜む、ハリアーU改ですら小型空母クラスの搭載になっている・・・。これだけ巨大化と
   なれば、それだけ多岐多様の獲物や装備も充実してくるわな。それでも宇宙船に対しては貧弱
   な武装としか言えないのが泣けてくる。

エリシェ「どちらの艦も超長距離弾道ミサイルが補佐になり、ICBMがメインになった形になって
     います。当然ながら弾頭は核兵器ではなく通常のものですが。」
ミスターT「言い換えれば、これら全ての兵装に絶対悪の装着は可能という事か。」
    各種砲門や超長距離弾道ミサイル、そしてICBMは従来の弾頭を用いた代物だと言う。
   核弾頭ではない部分は、エリシェ達が核兵器を反対している意味合いが非常に強い。しかし、
   もしもの時は搭載可能という事になるのだろう。まあ間違いなくないだろうが。
エリシェ「むしろ今の様相だと、核兵器よりレールガンやスーパーレールガンの方が遥かに威力は
     高いです。しかもそれで汚染物質を出さないとなれば、兵器としては申し分ないものに
     なるかと。」
ミスターT「実際はレールガン自体が兵器の様相を逸脱しているんだがね・・・。」
   一服しながら呟いた。今の様相が、地球上の兵器の概念を根底から覆しているとしか言い様が
   ない。破壊力が段違いなのだ。

    地球の今現在の通常最強兵器は核兵器だろう。しかし絶大な威力とは裏腹に、放射能汚染と
   いう最悪の結果を招いてしまう。そもそも核分裂を用いて威力を増したのだ、この結果は絶対
   に避けられない。太陽の力が正にそれである。

    対して、レールガンは弾丸を電磁力で加速させて射出させる。従来の考え方だとそれだが、
   ミュティナ達やルビナ達のはそれ以外に電磁力自体を射出させるのもある。完全にエネルギー
   兵器と言える。強烈な磁場が発生すると思われるが、それは彼らのテクノロジーで相殺する
   事もできていた。つまり全く以て副作用がないのだ。

    核兵器とレールガン、威力以前に扱い易さの時点でも全く異なる。発射には膨大な電力を
   消費する形になるが、そこも既に解決済みなのは確認している。クリーンな兵器と言うのは
   おかしな表現だが、本当にそうとしか言い様がない超兵器である。


ルビナ「宇宙空間だと大気や重力による影響を受けません。一度進み出した物質は、逆噴射などの
    相殺エネルギーをぶつけない限り絶対に止まりませんし。」
ミスターT「ガンダムはコロニー落としがそれだわな。」
ミュティナ「言い換えれば、宇宙船落としそのもので。」
    アニメは各“機動戦士ガンダム”の様相がそれだろう。スペースコロニーは宇宙空間で人間
   が住める場所を構築したものだ。それを地球に落とした描写がある。完全な最悪の兵器と化す
   のは言うまでもない。
ミツキ「“逆襲のシャア”だとアクシズ落とし、“ガンダムW”だとリーブラわぅね。」
ナツミA「そうね。ヒイロさんが見事な手腕で破壊していたわ。」
ミツキ「ここだとルビナちゃんの超能力で簡単に止められるわぅね!」
ルビナ「あー・・・不可能ではなさそうですが・・・。」
   あの巨大構造物を超能力で止めるとなると、相当な力が必要になってくる。ルビナが声を詰ま
   らせたのは、恐らく全生命力を使うほどの力になるという事か。
ミスターT「その時は俺も手伝うわ。この超能力ペンダントを駆使すれば、お前には及ばずとも力は
      出せるだろう。」
ミツキ「なるほど、生命を削る超能力という事ですか。それなら、私達も全力を以てお手伝いしな
    ければなりません。ルビナさんだけに負担を掛けさせる事は絶対にしませんよ。」
ナツミA「そうね。矢面立って暴れてくれるなら、私達もそれ相応の力を発揮しなければ失礼極まり
     ないし。」
ルビナ「・・・すみません。」
   感無量と言った表情をする彼女。つまり自分自身だけではないという現われだ。それは先程の
   ヘシュナとは全く異なるものになる。ここが俺達の異体同心の理だわな。

シルフィア「そうね、今思った通りの一念よね。あのおバカさんは全てを自分1人でやろうとして
      いる。仲間という存在、戒めてくれる存在が欠落している。マスタースミエが覇気で
      押し留めようとしてましたが、それでもあの様相だとT君と同じ。」
エリシェ「意固地に我欲を貫き続ける、ですか。だからこそ打開策も作れると。」
    じゃじゃ馬ならしは目の前の俺を見よ、か。周りの女性陣の視線が非常に痛い。しかしあの
   意固地なヘシュナを折る事ができるなら、それはそれで活路が開けてくる。力は使ってこその
   ものだからな。
ミツキ「超レプリカ大和と超レプリカ伊400を出すと、通常のレプリカ大和とレプリカ伊400は
    どうするわぅか?」
エリシェ「日本の防衛に当たって頂きます。躯屡聖堕チームやトラガンの精鋭中の精鋭が担当して
     くれるそうです。私達はこちらの真の懐刀で対処するとしましょう。」
ミツキ「おういえい!」
   レプリカ大和とレプリカ伊400の5倍の規模の新造戦艦郡。いや、この場合の総合火力は
   二乗の25倍と言った所か。それ以上の可能性も十分秘めている。あの宇宙船とタイマン
   勝負をする場合、引けを取る事はないだろう。


ナツミA「そう言えば、あの宇宙船が動いて各国はどんな反応をしています?」
ラフィナ「えーと・・・。」
    手持ちのノートPCを起動させ、テレビモードも起動させる。最近はこの機能も搭載されて
   いるから驚きだ。しかもこれ、BSにCSも見れるとか。詳しい事は分からないが、流石は
   大企業連合の総帥が成せる業物だろう。

    ラフィナが世界ニュースに目を遣ると、思っていた展開に至っていた。宇宙船が出現した事
   により、物凄い修羅場と化している。ケルマディック海溝から近場の国はフィリピンだが、
   相手の動向の探りを入れるために態々ハワイにまで向かったようである。

    先日の軍服事変で襲撃を受けた現地に、今度は宇宙船が現れた事で大変な修羅場になって
   いる。どうやらパール・ハーバーに駐留中のアメリカ太平洋艦隊も、今度ばかりは私利私欲
   には走らないでいるようだ。

ミツキ「正にインデペンデンス・デイわぅ。」
シューム「まあ幸いなのは、ヘシュナちゃんが絶対悪ではない所かな。先の軍服連中、特に激昂男は
     独断で動いていたクチだし。」
ナツミYU「ですねぇ。ヘシュナさんはミュティナさん方やルビナさん方と同じく、相手がどの様な
      種族かを見極めているとは思います。」
    甲板にノートPCを置き、そこに一同して見入っている。マルチ画面が可能とあり、複数の
   ウインドウに各国のニュースが表示されていた。どれもが突然現れた宇宙船の話題で持ち切り
   である。
ビアリナ「面白い・・・と言っては失礼ですが、ミュティナ様方やルビナ様方の宇宙船群には全く
     触れていませんよね。」
エリシェ「あちらは成層圏外に鎮座しているのと、その規模の問題で対処不能と思っているのかも
     知れませんね。ヘシュナ様の宇宙船ですら、2大宇宙種族の大母船の小型戦闘艦な様相
     ですし。」
ミュティナ「総合的な技術力はヘシュナさん達の方が上手ですが、規模の問題なら私達やルビナさん
      方の方が強いですからね。」
ルビナ「それ相応の実力が据わっているのに、あの性格が災いしてスタンドプレイに走ってしまう。
    ただ一族の中では一目置かれている存在らしく、常にあの性格が出ているとは限らないとも
    言われています。」
ラフィナ「それだけ戦闘宇宙種族と言うべきでしょうかね。」
ミスターT「なるほどねぇ・・・。」
   一服しながら思う。遥か彼方の宇宙から流浪の旅路を繰り返してきた3大宇宙種族。しかし
   ギガンテス一族とドラゴンハート一族は共助の連携を取るも、カルダオス一族は常に2大宇宙
   種族と争ってきたようだ。2対1の割り合いで拮抗した戦闘力を維持している感じだろう。


ミスターT「まあ何にせよ、ミュティナ達やルビナ達に敵対するなら俺の敵だ。相手が何であろうが
      叩き潰すまでよ。」
シルフィア「はぁ・・・彼女とあまり変わらない気がするけど、痛みを知れている分だけ良いと言う
      のかしら・・・。」
スミエ「大丈夫ですよ。貴方もTちゃんも、外面的のギラ付いた殺気と闘気だけですから。根底は
    ミツキ様と同じ、敬い・労い・慈しみの精神が根付いている。全く以て問題ありません。」
    キセルを薫らせながら一服するスミエ。見つめる先はレプリカ大和とレプリカ伊400。
   物凄く神妙な面持ちで見入っていた。
ミスターT「・・・スミエには悪い事をしてしまっているわな。本来ならあの世界大戦の様相は、
      思い出したくないのが実状だろうに。」
スミエ「あー、まあ確かに。過去の戦乱を踏まえると、最大規模の犠牲者が出た戦争でしたから。
    この艦はアレンジタイプになるので論外ですが、あちらのレプリカ大和のオリジナルは実際
    に数多くの戦士と共に海中に没しています。そしてここ、広島は史上初の核攻撃を受けた
    場でも。」
   表情からも分かるが、物凄く悲しい雰囲気を出すスミエ。その悲惨さは筆舌し尽くし難い。
   しかしその苦節が己の大切な礎に至っているのもまた事実だろう。
スミエ「フフッ、そうですね。Tちゃんが思った正にそれで。」
ミスターT「礎、か・・・。」
スミエ「私達が担う警護者。それは苦節を糧として喰らい尽くし、前へ突き進む事を決めた集団なの
    ですよ。最近はTちゃんも根幹に据えている概念、“一喜一憂するな”という部分が正に
    それです。振り返る事は良い事です。しかしそれで歩みを止めてしまっては、亡くなられた
    方々に申し訳がありません。」
シルフィア「心から賛同致します。マスタースミエの淵源は、限りない共助の姿勢があってこそ。
      そして利他の一念が全ての淵源にも帰結しています。そして師弟の理が何より重要な
      要因に至ってきますし。」
スミエ「烏滸がましい感じですけどね。ですが・・・それで1人でも多くの人を助けられるのなら、
    私は黒髪の魔神として己の責務を全うします。」
   一服を終えてキセルセットを懐に仕舞う。その背中から感じられる哀愁は物悲しいが、それ
   以上に凄まじい気迫が彼女を後押ししている感じだ。正に黒髪の魔神だろう。

ミツキ「むっふー♪ シルフィアちゃんが青髪の鬼神、スミエちゃんは黒髪の魔神わぅか。となると
    姉ちゃんは黒髪の女神わぅか?」
ナツミA「いや、スミエさんと同じ黒髪の魔神ね。私の怖さを忘れてしまって?」
ミツキ「常に戦々恐々わぅ。」
ナツミA「まあ貴方の方が黒髪の女神だけど、普段は双髪のワンコよね。」
ミツキ「わっふーわっふっふー♪」
    この美丈夫はまぁ・・・。真剣そのものの雰囲気を一瞬にして娯楽に変えるのは見事な業物
   である。当然周りの面々は笑ってしまうのは言うまでもない。あのスミエですら笑っている。
スミエ「壁は1つずつ乗り越えてこその、栄光の未来を掴み取るですよ。」
ミツキ「そこには茶菓子も沢山あるわぅか?!」
スミエ「そうですねぇ・・・幸せな世界が来れば、食べ放題は間違いなしかと。」
ミツキ「おういえい! 全力投球でやったるわぅよ!」
   手持ちの残りの茶菓子を一気に食らうミツキ。しかし直後、軽く喉を詰まらせ咳き込む姿は
   何とも言えない。それに周りの面々は爆笑してしまう。

    生き様で全てを体現していく、か。ミツキの生き様なら、本当に世上から悲惨や不幸と孤児
   という概念を縮小させていく事ができるかも知れない。そして何れは消えていくだろう。


    世界の情勢がどう出るかを見極めるため、今は日本に滞在する事にした。レプリカ大和と
   レプリカ伊400は日本の防衛に当たって貰う事になる。どちらもオリジナルとは掛け離れた
   火力と飛距離を持つため、レプリカ大和は広島の呉・レプリカ伊400は青森に配置との事。

    両艦の主砲だと微々たるものだが、超長距離弾道ミサイルなら日本全体をカバーできる。
   しかも呉から沖縄の末端までを、青森から北海道の先端まで射程に捉えていると言う。実に
   凄まじいものだ。これなら日本を守る事は十分できる。

    首都圏の防衛はハリアーU改郡が担当する事になるという。今では警護者郡・自衛隊郡・
   警察郡・トラガン郡が目白押しであり、局地的な戦闘力は世界の軍事力に引けを取らない。
   それに目玉は団結力と統率力だからな。ここだけは絶対に負けないわ。

    今後は超レプリカ大和と超レプリカ伊400を主軸とする事になる。船体自体はオリジナル
   やアレンジの5倍の規模だが、火力や飛距離は数十倍か数百倍にまで強化されている。目玉は
   230cm主砲だが、それ以前に両艦に搭載のICBMとレールガンにスーパーレールガンが
   最強兵器になるだろう。

    これらを以てしても、ヘシュナの宇宙船などには対抗し難い様相だ。正直な話、2大宇宙
   種族と戦うようなものである。勝てる筈など有り得ない。それでも阻止や時間稼ぎは十分可能
   であろう。その間に直接乗り込み、ヘシュナ自身を叩くしかない。


    ちなみにテクノロジーや軍事力ではカルダオス一族の方が上手とされるが、種族自体の力に
   なるとギガンテス一族とドラゴンハート一族の方が遥かに強いという。顕著なのがルビナ達
   ドラゴンハート一族だ。

    やはり映画“スターウォーズ”の十八番、フォースそのものに近い超能力が逸脱していると
   言える。他のテクノロジーは3大宇宙種族共に互角だが、種族の問題では相当な差があるとの
   事だ。まあ俺からすれば普通の女性にしか見えないのだが・・・。

    となると、ヘシュナ達が得意とする能力は何なのだろうか。ミュティナ達は言うまでもなく
   タフネス振り力や体力だ。重力制御の理もあるが、それ以前に種族の力で実際に超重量の物質
   を持ち上げられるらしい。何ともまあ・・・。

    ルビナはミュティナ達には若干劣るも、その力や体力が凄まじいという。まあ人間からして
   逸脱した力なのは間違いない。それにルビナ達は超能力の力が全てにおいて逸脱している。
   物質を念力で持ち上げ浮かせられるのだ、恐ろしいとしか言い様がない・・・。

    そして、ヘシュナ達になる。あのじゃじゃ馬娘風でも人望があるという事から、推測だが
   相手の精神を操る事ができるのかも知れない。まあそれをせずとも付き従う人物がいれば、
   それこそ彼女に内在する人望そのものだろう。

    人間がどう足掻いても届かない領域の世界だ。それだけ宇宙種族は偉大過ぎるわ。それでも
   俺達人間は、できる事をし続けるまでだ。それこそが己が生き様を示す戦いにもなるしな。

    第4話へ続く。

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