アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第3部・第06話 誘引の総攻撃2〜
ヘシュナ「ハハッ、失礼ながらも笑ってしまうしかないかなと。いえ、呆れではないのですけど。」
ティエラ「いや、素直に呆れても良いと思います。それでも私達を心から敬愛して下さる一念は、
     素直に汲みたいものですね。」
エシェムF「偽物のバカ父達はその事を全く把握していない。だからあそこまで愚かな行動に出て
      いるのでしょうし。」
ティエラ「偽物でも同じ血が流れる存在としては看過できませんよ。」
    笑いながらも強く頷くヘシュナに、今も暗躍し続けるバカ父達に怒りを顕にするティエラと
   エシェムF。ヘシュナは幼少の頃に野郎にからかわれた事が淵源で、男性嫌いに至っていた。
   今はその気質は感じられないが、世上の破壊と混沌をもたらす野郎への怒りは忘れていない。
   ティエラとエシェムFも今も偽物のバカ父達、奴等が悪逆の限りを尽くしている事への怒りを
   忘れてはいない。共通するのは相手が野郎だという事だな。
ミスターT「はぁ・・・これだから男は・・・。」
ミツキ「おおぅ、出たわぅ! シルフィアちゃんの名言わぅね! 流石は師弟わぅ♪」
ミスターT「出ない方がおかしいわ。これだから野郎は困る・・・。」
   諸々の怒りが無意識に行動させたのか、性転換ペンダントを発動させてしまった。目の前で
   ミスターTからミスTに変身する様を、周りの女性陣は驚愕する表情で見入っている。
ミスT「・・・あら、無意識に発動させちまったか。」
ミツキ「おういえい! Tちゃんの女性心が突き動かされたわぅね!」
ヘシュナ「と・・と言うか、今の様相だと完全に無意識レベルの変身ですよ。一切の概念を超越した
     純粋無垢の一念ですし。」
ミスT「はぁ・・・ペンダント自体が俺の深層を察知して発動した訳か。」
   何ともまあ。確かにミュティナ達は各ペンダントの効果は扱い手に依存すると述べていた。
   最初に与ったペンダント群の時から今に至るまで、内面の一念は相当強まっていると言える。
   つまり必要以上の一念があれば、自然とそれに呼応して発動するのだろう。

ミスT「まあそれがペンダント群が望んでのものなら、拒否する必要はない。このままミスTの姿で
    いるわ。俺もその方が気が楽だし。」
シューム「気が楽、ねぇ・・・。各種のケアをする身にもなって欲しいものよね。」
エリシェ「本当ですよ。」
    殺気に満ちた目線で睨むも、殆ど呆れ気味で溜め息を付く様に何処か安堵を覚えてしまう。
   それが同性から至るものなのかは不明だが、そこに愛情が感じられるのも確かである。そして
   人は1人では絶対に生きて行けないと痛感もさせられた。
ミツキ「持ちつ持たれつ投げ飛ばす、わぅね♪」
ミスT「ああ、本当にそう思うわ。お前さんの概念は万能戦闘戦術だしな。本当に感謝している。」
ミツキ「ほーほーほー、わたに感謝するとはコソバユイわぅよ。」
ナツミA「私も影響を受けたクチだけど、殆ど私達全てミツキ流の生き様が根付いているからね。
     それは利他の一念、敬い・労い・慈しみの精神が根幹でも。本当に素晴らしい妹よね。」
ミツキ「にゃっはー、ありがとです♪」
   何時になく嬉しそうにするミツキに、自然とノホホンな気分になっていく。それは俺だけでは
   なく、周りの面々も同じ様相のようだ。これが純粋無垢の生き様を刻むミツキならではの、
   正に万能戦闘戦術とも言い切れる。


ミスT「ますます以て膝は折れんわな。お前さん達を含めた全ての女性の幸せを得るために、俺は
    鬼にでも悪魔にでもなってやる。汚れ役は全部引き受け続ける。だから一同は我武者羅に
    前に突き進んでくれ。」
ヘシュナ「そのお心、心から感謝致します。ですが、そうはいきません。貴方が矢面立って動かれる
     のなら、その貴方を支えてこその相棒です。いえ、夫婦と言いましょうか。」
シューム「へぇ・・・何時の間にやら、それは宣戦布告かしら。」
    サラッと言ったヘシュナの言葉に、エラい殺気の雰囲気で威圧するシューム。他の女性陣も
   同じく殺気に満ちていた。しかし彼女自身はそれに驚くも、臆する事なく平然としている。
ヘシュナ「ハハッ・・・誤解が生じましたね、すみません。私が述べた夫婦と言うのは、地球の夫婦
     とは異なる感じです。宇宙種族では夫婦となるも、それは夫婦というよりは戦友とも言い
     切れます。そして独占するという概念ではありません。」
ミツキ「うむぬ。ヘシュナちゃんの概念は宇宙的規模のものわぅね。普通ならシュームちゃん達の
    様に殺気に満ち溢れると思うわぅし。」
ヘシュナ「確かに。ですがこの場合だとミツキ様のと変わらないのかも。マスターが思われている、
     ミツキ様への一念と全く変わりません。」
ミスT「恋愛感情度外視の、純粋無垢の師弟の理だな。でも俺からすればヘシュナの方が師匠的な
    感じがするがの。」
ヘシュナ「何を仰います。先刻の黒服軍服事変で真っ向勝負をしてくれたではありませんか。妹も
     痛感していますが、私の意固地な部分は近寄り難いものと言われていますし。」
ミスT「あれはお前さんがミュティナ達を敵視していた事への怒りだ。俺は盟友や大切な存在を貶す
    輩には、徹底的に無慈悲の容赦ない鉄槌を下す主義だからな。まあ当時は、お前さんとは
    初対面だったのもあるがね。」
   一服しながら当時を振り返った。直系13kmの宇宙船が大深度海底から浮かび上がり、後の
   ホログラムで現れたヘシュナと対峙したあの時だ。気質的には取っ付き難いのはあったが、
   何より怒りを顕にしたのはミュティナ達への言動だ。怒らない盟友が何処にいるのやら。

ヘシュナ「その事ですが、本当に申し訳ありませんでした・・・。」
ミツキ「大丈夫わぅよ。Tちゃんはヘシュナちゃんを憎んでの言動じゃないわぅし。」
エリシェ「悪の概念は思想そのものであり、その人自身に罪はありません。ごく偶に身も心も悪に
     染まった阿呆がいますが。」
ミツキ「うむぬ、だから大丈夫わぅ。」
    過去を振り返り落ち込むヘシュナ。その彼女の背中をバンバン叩くミツキ。相変わらずの
   様相である。それに笑顔を取り戻し、小さく頭を下げている。
シューム「T君の大切な人物への悪態への怒りは凄まじいからね。それだけ相手を思う一念が逸脱
     したものだと言い切れるわね。」
ナツミA「過激過ぎるのも問題ですけど。まあそのぐらいがTさんには良いのでしょうね。」
ミツキ「ミスターT・クオリティわぅね!」
   本当にそう思う。何時の頃からかそういった概念が出だしていた。殆ど無意識に、である。
   それだけ深層心理から出ている一念ならば、絶対不動の原点回帰ともなるだろう。となれば
   周りが対処し辛いのも十分肯ける。
ミスT「まあ何だ、今は最後の一手を放つ準備をしますかね。」
エリシェ「了解しました、早速行動を開始します。」
ミスT「ヘシュナも2人の護衛に回ってくれ。恐らく連中は多岐多様の襲撃を使って来る筈だ。」
ヘシュナ「かしこまりました。」
   紅茶を飲み終えると喫茶店を飛び出していくエリシェ・ラフィナ・ヘシュナの3人。エリシェ
   とラフィナだけでも何とかなりそうだが、今では万能闘士に至っているヘシュナがいれば盤石
   だろう。ミュティナ達やルビナが更なる役割をしている現在、ヘシュナの存在は多岐多様に
   行動ができるジェネラリストとも言えた。

    前にも述べたが、ヘシュナは自身が持つ特殊な力を使う事に躊躇いが全くない。ミュセナ達
   やルビナはその力を使う事に躊躇いが目立つ。それが彼女にはないのだ。力は使ってこそ真価
   を発揮する、これを地で貫く女傑とも言える。

    この概念は今では義理の母に近いシュームの生き様が影響している。これも前に述べたが、
   喫茶店で活動しだした頃に色々と相談に乗った経緯があった。実年齢はシュームよりも遥かに
   高いヘシュナだが、気質の部分では正に母娘そのものである。

    これらの要因が重なり、今のヘシュナには全く以て隙がない。ミュセナ達やルビナはその力
   を使う躊躇いが油断になるかも知れないが、ヘシュナに関しては大丈夫だと確信している。

    中半2へと続く。

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