アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第3部・第06話 誘引の総攻撃3〜
ミツキ「こちらの4人はどうするわぅ?」
ミスT「今はここの身辺警護かな。いくら覚醒したとはいえ、まだまだ生まれ立ての赤ん坊な感じに
    近い。今後の俺達次第という事になる。」
    先刻の戦闘時に完全に目覚めた4人、ディヴォルガル・フィルラウローム・デストロイア・
   ヴィエルディア。しかしまだ行動力が浅く、独立して動くには時間が掛かるだろう。本当に
   生まれたばかりの赤ん坊そのものに見える。それでいて潜在能力は宇宙種族クラスなのだから
   怖ろしいわ。
ミツキ「ふふり。にゃらば、わたが育てても良いわぅか?」
ミスT「・・・語末“わぅ”だけは、お前さんの専売特許にしてくれよ。」
ミツキ「おういえい! まっかせろーわぅ!」
ナツミA「はぁ・・・一応陰で監督するわね。」
   一際張り切るミツキに、呆れ顔のナツミA。しかしこの2人が育てるとなれば、怖ろしいまで
   の女傑と化していくのは想像に難しくない。正に慈愛の戦士とも言えるだろう。

ティエラ「となると、マスターのガードが甘くなる感じですよね。ここは私達が身辺警護を担わせて
     頂きます。」
エシェムF「そうですね。ようやく本当の役割が担えそうですし。」
ミスT「頼りにしてるよ。と言うか、俺の傍らにお前さん達がいる現状。偽物バカ父達が見たら、
    どうなるか見物だわな。」
エシェムF「本当ですよ。良い気付け薬になると思います。ここは冷徹無慈悲なほどに、バカな真似
      をした報いを受けさせます。」
ティエラ「お任せ下さいませ。」
ミスT「はぁ・・・頼りにしてます。」
    偽物バカ父達の事になると、途端に怒りの様相になるティエラとエシェムF。やはり奴等が
   偽物であっても、同じ血が流れる故の怒りだろうな。まあ生粋のゲーマーから警護者の実力と
   その理を経た2人だ。総合戦闘力は全く以て申し分ない。

シューム「いよいよ旗揚げな感じよね。」
ミスT「そうだね。全て終わらせて、また喫茶店でノホホンと普通の役割を担いたいわ。」
    サッと差し出してくれた紅茶を、小さく頭を下げて受け取り啜る。日常生活に戻れる事が
   どれだけ幸せなのかを痛感させられるわ。しかし、現状は警護者自体が己の生き様と化して
   いる。それが日常だと捉えるなら、このノホホンとした時間は非日常とも言えなくもない。
ミスT「・・・結局は警護者の道を貫き続けるのだろうな。」
シューム「フフッ、そうね。それが私達の持って生まれた宿命とも言えるし。だからこそ使命に変革
     させる必要があるしね。」
ミスT「ますます以て膝は折れんわな。」
   紅茶を啜りながら、胸中の一念を再度新たにした。結局は警護者の道から逃れる事は絶対に
   できないのだ。今となってはそれが当たり前になっているため、日常生活への憧れが出ると
   いう感じだろう。しかしその日常も、諸々の不測の事態などを封じ込めてこそ至れるものだ。
   つまり警護者の存在は、今後も必要不可欠となるのは明白である。
ミスT「お前さんには毎度ながら苦労を掛けさせるわ。」
シューム「皮肉にしか聞こえないけどね。」
ミスT「ハハッ、本当だわな。色々とありがとね。」
   シュームに向けてウインクをしながら感謝を述べる。するとそれを見た彼女が赤面しだした。
   これが野郎時なら苦笑いで済まされるのだろうが、女性時だからなのかも知れない。シューム
   自身も野郎の気質が根強いため、女性化している俺のウインクに驚いた感じだろうな。

    ともあれ、現状は今だに燻っている諸悪の根源を叩き出す事が先決だ。ミュセナが究極の
   一手と言える、超精密な全球サーチを試みている。それを察知したら、ルビナ達とヘシュア達
   が動くという形になるという。正に実働部隊まっしぐらである。

    それでも絶対悪とも言える存在は把握し辛い。映画“スターウォーズ”でもヨーダ氏達が
   ダークサイドの流れを読み難いのと全く同じ感じである。だから超近場でシス・マスターたる
   パルパティーン氏が堂々と暗躍していたのだから。灯台下暗しそのものだ。

    だが同作と現状は雲泥の差だ。こちらには3大宇宙種族の恩恵に与れている。大企業連合・
   躯屡聖堕フリーランス・トライアングルガンナー・警護者軍団と、地球上で最大最強の力を
   持つ軍勢が味方にある。そして胸中の絶対不動の原点回帰、生命哲学の理から反れなければ
   恐れる事はない。

    相手はこちらが劣勢になっていると思うが、実際にはその真逆なのだ。反転攻勢の時は今と
   言えるわな。



    それから数週間が経過した頃、劇的な事が起こった。シルフィア・スミエの暗躍部隊が、
   幽閉されていた本当の防衛庁長官とガードラント王を発見したのだ。しかも幽閉されていた
   のは、あの脱獄は難しいとされた元監獄のアルカトラズだった。よくぞまあ発見したものだと
   思ったわ・・・。

    2人が言うには、最近になってアルカトラズに食料を運ぶ怪しい面々がいるとの事だった。
   その連中に身辺警護として潜入捜査したシルフィアが、幽閉されていた2人を発見したのだと
   いう。料亭で悪逆の限りを尽くしていた2人と瓜二つだが、その気質は善心と慈愛に溢れて
   いたという。正に現状の偽物と雲泥の差だ。

    そして発見した経緯も、先刻思った事と一致する。絶対悪と言える存在は探知し難いが、
   絶対善に近い存在は探知し易いというもの。つまり己自身の善心と呼応する感じであろうか。
   善心を地で行くシルフィアやスミエだからこそ掴めた感じだろうな。

    幸いにも現地にも躯屡聖堕メンバーは数多くおり、彼らと共に連携で2人を救出したのだ。
   ただ今は公に出す事はせず、偽物達にその情報が自然と流れる事を促してみるという。つまり
   完全な誘引戦法である。

    ようやく総攻撃の時は来た。ここからが反転攻勢の時だわ。


ティエラ(そうですか・・・良かった・・・。)
エシェムF(本当に良かったです・・・。)
    本物の父親達の救出に誰よりも喜んだのは、実の娘であるティエラとエシェムFの2人だ。
   あれだけ気丈に振舞っていた2人が涙ながらに安堵している。
シルフィア(そこそこ衰弱があるけど、気質は貴方達譲りの堅固さだから大丈夫よ。)
スミエ(ヘシュナ様やTちゃんの力により、ミュティナ様の様な相手の状態を即座に把握する能力。
    これが正にキュリー夫人ビームそのもので、お2人の様相を把握できました。)
ミュティナ(懐かしいですね。以前はメルア様のお子様を把握した時と同じ感じです。そう言えば、
      お子様方は無事お生まれになられたのでしょうか?)
ナツミYU(完璧と言ったら悪いけど、見事なまでの赤ん坊だったわ。ターリュさんやミュックさん
      に勝るとも劣らない泣きっ振りにはタジタジのようだけど。)
シューム(泣く子は育つと言うしねぇ。)
   今も遠征中のナツミYUが一服しながら語る様が映し出される。それに呼応したシュームも
   喫茶店で一服しだしていた。既に母親である2人だからこそ、メルアの出産に大きな共感を
   得られるのだ。本当に女性は素晴らしいわ・・・。

シューム(・・・って、何故君が泣いてるのよ。)
ミスT(・・・あら、無意識に涙が流れてたわ。)
    シュームに言われるまで全く気付かなかった。かなり泣いている自分がいたのだ。その俺の
   涙をハンカチで拭ってくれる彼女、呆れながらも貰い泣きをしている。
スミエ(フフッ、まあそう仰らずに。Tちゃんは幼少の頃、別のお子さんを抱いてあやした事が何度
    もありました。どんなに泣き続ける赤ちゃんも一発で泣き止ませたという。)
シルフィア(以前仰っていましたね。孤児院ではT君に掛かれば、泣き止まないお子さんは絶対に
      いないのだと。シェヴさんやディムさんも太鼓判を押していましたし。)
スミエ(懐かしいものです。)
   当時の様相を念話を通して伝わってくる。年齢一桁代の時に何度も赤ちゃんや子供をあやして
   いた流れだ。ただ当時の自分がどの様な心境をしていたのかは不明で、スミエの記憶の俺は
   ぶっきらぼうな表情をしているのだが。

スミエ(そうですねぇ。確かに当時のTちゃんは取っ付き難い様相でしたし。悪態は付かずとも、
    その姿自体が近寄り難さを醸し出していました。それなのにお子様方からは絶大な信頼を
    寄せられていましたし。)
ミツキ(大人の人が外見で判断する悪い癖ですよ。Tさんはそれらに紛動されず、純粋に相手の生命
    自体と対峙していたと思います。だから純粋無垢のお子さん方に信頼されていた。)
ナツミA(ポチの気質と全く以て同じよね。ただポチは太陽の様な暖かさに対して、当時のTさんは
     月の様な暖かさと言うべきか。少し暗い感じの様相かな。)
ミツキ(むぬっ? 暗月の剣わぅ?)
ナツミA(アノール・ロンドは幻想郷かしらね。)
    見事なまでの譬喩だろう。ゲーム“ダークソウル”はアノール・ロンドという場所の要素、
   暗月の剣である。相対して太陽の王女もいるが、その巨大さは筆舌し尽くし難い。特に巨女
   故に胸も巨大なのだ。

シューム(・・・はぁ、今のその心境でも野郎心が出るのね・・・。)
ナツミYU(本当ですよね・・・。)
ミスT(不謹慎だったわ・・・すまん。)
    痛烈なまでの殺気に満ちた一念を投げ付けられる。しかも方々から一斉にだ。確かにこの
   場合は俺の方が悪い。その前までは感動的な一時だったのが、突然として野郎の性に戻ったの
   だから。本当に野郎心は参る・・・。
シルフィア(ハハッ、まあそのぐらいにしてあげなさいな。こうやって即座に思考を切り替えられる
      部分が、今のT君の最大の力の1つだし。)
ミツキ(うむぬ。それにあの姉ちゃんがデカいのが問題わぅよ。)
ナツミA(殺害する時の表情が怖いというオマケ“付き”と。)
ミツキ(月に関してる故にオマケ“付き”わぅね!)
シルフィア(アッハッハッ!)
   う〜む、見事なまでのボケとツッコミと揶揄だわ。それに一際爆笑するシルフィアも見事と
   しか言い様がない。これも彼女達の強さの所以だろうな。
スミエ(まあともあれ、Tちゃんの強さはシルフィア様が仰る通りの部分と。)
シルフィア(偶に見境なくなる部分が困りものですけど。)
ミツキ(それらも全てはTさんがTさん所以のものですよ。持ちつ持たれつ投げ飛ばすで対処と。)
シューム(へぇ・・・今度から蹴飛ばされても文句は言わないという事ね。)
ミツキ(ダメわぅ! それをやっちゃうと、Tちゃんがより一層変態化するわぅよ!)
シューム(ぶっ・・アッハッハッ!)
   最後の最後は諭しにもなるが、それすらもボケに変化させるミツキ。その内容が見事であり、
   シュームを含む殆どが大爆笑しだしている。まあ変人や変態と言われる方がまだマシだが、
   その都度ネタにされる身にもなって欲しいものだわ・・・。

シルフィア(アハハッ・・・ミツキさんのフックもストレートも強烈過ぎるわね・・・。)
ミツキ(ふふり、ここはロイヤルストレートフラッシュでキマリわぅ♪)
ナツミA(出る確率は怖ろしく低いけど。)
ミスT(ミツキの気質なら招きよせそうだの。)
    シメでもボケを言うミツキだが、先程の大ボケよりはスマートな感じだろうか。それでも
   全ての語句に対してネタに変化させる彼女の腕前は、並大抵の人物にはできない代物である。
   この気質があれば世上から争いなど根絶できそうだわ。

    脱線はしたが、ティエラとエシェムFの本当の父親達は問題ないとの事だ。更には2人とも
   草創期は最前線で戦う存在との事。ウインドやダークHみたいに叩き上げの闘士そのものだ。
   故に真逆の属性の偽物バカ父達の行動力の強さが痛感できる。

    案外、娘達が警護者に目覚めた事に諸手を挙げて賛同するかも知れない。仕舞いには自分達
   も現役に戻ると言い出すかも知れないわ。親が親なら子も子、か。この場合は良い方の例えの
   極論とも言える。その彼らを守り通すのが俺達の使命だわな。

    中半3へと続く。

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