アルティメット エキサイティングファイターズ 外伝8 〜覆面の探索者〜 |
アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝8 〜覆面の探索者〜 〜第2部・第1話 新国家6〜 ミュティナ(お兄様の場合は、絶対に暴走しませんよ。私達の概念を、普通の生命体とまで言い切る 据わり様ですからね。生命の次元からして、これらのテクノロジーが信頼し切っている と断言します。だからこそ、私達は各種ペンダントを託せたのですから。) ミュティヌ(兄ちゃんの肝っ玉には、うちらギガンテス一族全員感嘆しておりまする。) ミュティラ(本当ですよね。だから、全くご心配しないで下さい。) ミスターT(・・・ありがとう。) 俺の不安を見事に一蹴してくれる三姉妹。その一念が俺の背中に優しく触れてくる。遠方で 立地作業を行っているため、念話による触れである。本当に感謝に堪えない。 ナセリス(そもそも、善悪判断センサーを度外視して動かそうとか、実に話になりませんよ。) ルビナ(本当ですよ。そこまで魔力や魔法の概念は万能なのですかね。) ミスターT(俺に言いなさんな・・・。) 念話を通して、不満をぶつけて来る2人。三姉妹と同じく、その一念が見事なまでに迫って 来るかのようである。確かに、彼らの概念を度外視するものなので、怒るのは当然だろう。 シルフィア(ま・・まあ・・・エリシェさん、続けて頂戴。) エリシェ(あ・・はい、すみません。造船都市の侵攻による占領、そして魔大陸への進出。海賊群を 使えば、問題なく動く事が可能でしょうね。) ラフィナ(魔物の富国強兵も、もはや行き着く所まで行き着いた感じでも。幸いなのが、地球での 技術体系と異なり、機械兵士や人工生命体を作り出せない事でしょうか。) ミスターT(魔物の召喚とかも、人工生命体の作り上げに近いんだがね。) 魔物の召喚は、ゾンビやスケルトンといった不死の魔物であろう。他の魔物も召喚する事が 出来るかも知れないが、どの道戦力を増強する事には変わりない。 ミスターT(んで、最後の1つが宇宙船、と。) エリシェ(先に挙がったそれとなりますね。ただ、こちらの方は直ぐに実現可能とは思えません。 当面は問題ないと思います。まあ・・・。) ミスターT(不測の事態の場合は、巨大兵装を出す、か。) ラフィナ(分かってるじゃないですか・・・。) 不気味なまでに笑う2人。それはある意味、魔物である。しかし、仮に突発的に出て来た 場合なら、何振り構わず出すべきだろうな。まだまだ手持ちのカードはあるのだから。 イザリア(先輩方、新大陸の宇宙船の稼動は、こちらに影響はないでしょうか?) ヘシュナ(大丈夫だと思いますよ。それに影響を受けるのは、港周辺になると思われます。) デュヴィジェ(そこは、バリアとシールドの防御機構で防ぎ切りますよ。皆様方には、一切の被害を 出させはしません。) ミスターT(ここは、宇宙種族の力を借りるしかないか。) 出来れば使いたくないのだが、不測の事態への対応は、5大宇宙種族がテクノロジーの産物を 用いるしかない。相当な力を持つ兵装が出揃えるため、下手をしたら異世界惑星を簡単に破壊 しかねないのが怖いが・・・。 ミスターT(・・・最後の1つが、誰かしらを人質に取られる場合だが。) ヘシュナ(呪いや奴隷の魔術などを施されない限り、転送装置で即座に奪取可能なので安心です。) イザデラ(転送魔法なら、私達も使えるので、不測の事態はお任せを。) イザネア(それに、ヘシュナ小母様が仰った2つの魔術ですが、小母様や小父様も使えるカルダオス 一族が治癒力で完全完治が可能です。話になりません。) ミスターT(・・・そうですか・・・。) 一番懸念していた材料を、ものの見事に一蹴された。確かに掴まった相手を、転送でこちら に引き寄せれば全く問題ない。ヘシュナが挙げる、呪いや奴隷の魔術が厄介だと言われるが、 例の治癒力で問題なく完治が可能との事だ。何処までこちらの考えを覆してくれるのやら。 ミスターT(もうさ・・・お前さん達に全部任せて、寝に入りたいんだが・・・。) ミツキ(ダメわぅ! もし寝たら・・・耳に吐息を掛けてやるわぅ! しかも女性陣全員で♪) シルフィア(良いわねそれ、甘噛でも良いかも知れないわ。) ミスターT(・・・今後も起きてますです、はい・・・。) とんでもない茶化しが入ってくる。もしその行為をされた場合、間違いなく昇天する・・・。 それを窺い知ったのか、周りの女性陣の目が恐ろしいほどに妖しく輝きだしていた・・・。 シルフィア(とりあえず、諸々は分かったわ。引き続き、師匠と共に暗躍し続けるわね。) ミスターT(ああ、分かった。危なくなったら、必ず連絡をしてくれよ。) シルフィア(フッ、その機会に至らせてくれるなら、むしろ好都合なんだけどね。師匠も張り切って いるし。) スミエ(・・・ほぇ? あ・・すみません、転寝してました・・・。) 気張るシルフィアも絶句する、スミエの素っ頓狂な返し。それを窺った一同は爆笑しだした。 特にスミエを知る身内は、その意外な言動がクリティカルヒットしたらしい。何ともまあ。 ミツキ(スミエちゃん! その場合は、テヘペロと言う・・・むぐっ?!) ナツミA(はいはい、テヘペロは王道でございます。) ミツキ(テ・・テヘペロ〜!) ミスターT(はぁ・・・。) クリティカルヒットを受けている時に、追撃のクリティカルを放つ姉妹。それに爆笑から 大爆笑に発展している。どうしてこうも笑いに繋げるのやら・・・。しかし、重苦しい雰囲気 を一蹴した事には変わりない。 ミスターT(・・・それで、俺達はこのまま開発で大丈夫か?) スミエ(何かあったら、直ぐに臨戦態勢に移れれば大丈夫かと。そちらに赴くまでには、かなりの 時間が掛かりますし。) シルフィア(徹底的に力を蓄える、悪党の王道じゃない。つまり現状は、監視をし続けるだけで問題 ないという事よ。) ミスターT(そうか、分かった。) 現状は様子見を続ける、か・・・。今はそれぞれに出来る事をし続けるまでだな。 ほぼ全ての悪党は、私利私欲に塗れた愚物そのものだ。貪欲なまでに力を欲し、相手よりも 優位に立とうとして来る。であるならば、直ぐに侵攻はして来ないという事になる。まあ、 不測の事態は心構えていた方が良さそうだがな。 出来れば、即座に完全撃滅を図りたいものだが、周りがそれを許してくれそうにもない。 被害を最小限に抑える行動が、警護者には常に求められる。それを完全に覆す行為でもある。 ただこの場合は、嫌な意味だが、思い知らせる必要もある。そこは分かるのだが・・・。 そう、思い知らせて、以後の発生や出現を思い留まらせる。マイナス面の考えだが、実に 効果がある手法だ。今までの警護者の生き様も、全てこれに準拠して貫いてきた。その概念に 至れば、悲惨や不幸になると思い知らせると。 実に嫌な手法だが、それで後の安穏を勝ち取れるなら安いものである。そのための、警護者 の力となるのだから。今後もこの姿勢を崩すつもりはない。 3大都市の住人達を中心に、5大宇宙種族の主力陣や地球の主力陣を併せた開拓は進んで いる。警護者サイドは新大陸の警護に当たる事を中心にし、野生の魔物やダンジョンから出現 する魔物を討伐していった。 ランク制度などなくとも、各々の役割が冒険者に帰結する。啓示などなくても、常日頃の 心構えが勇者などに帰結する。一部の存在が独占してよいものではない。まあ、それを言い 出すと、警護者機構もそれに当たってしまうのだが・・・。 唯一異なる点としたら、警護者は独立した傭兵軍団とも言い切れる。地球上での権力や、 一切の言論などを捻じ伏せる力を持っているからだ。独善的と言われればそれまでなのだが、 警護者自体は依頼を通してでなければ動く事をしない。ここが傭兵と言われる所以でもある。 それでも、今は5大宇宙種族が概念、調停者と裁定者の理を受け継いだため、一介の警護者 の生き方を超越している。故に、警護者に属する面々は、相当なプレッシャーを背負っての 戦いとなるだろう。かく言う俺も然り。 かつての、一介の警護者でいられた時が一番気が楽だったわな・・・。 エメリナ「お休みです?」 ミスターT「ん? ああ、久方振りの非番中よ。」 崖近くに座り、一服しながら休息を取る。高所が苦手なので、それ以上先に進めないが。 そこにエメリナ・フューリス・テューシャが訪れてくる。元啓示姉妹である。 フューリス「あの・・・今後、私達はどうすれば良いでしょうか?」 ミスターT「今は、新国家樹立の手助けをしてあげてくれ。その後は、一介の冒険者となって、旅路 に出てもいいだろう。お前さん達の第3の人生だ、自由に横臥するといい。」 テューシャ「それもあるのですがね・・・。」 傍らに座り、溜め息を付く3人。彼女達の今後の生き様は、既に定まっていると思われる。 この場合は、確認のためのものだろう。 ミスターT「俺としては、リューヴィスの女性陣を守り続けて欲しい。お前さん達の経験は、今の 彼女達に必要なものだ。妹達もそれを思い、覚悟を決めたそうだよ。」 エメリナ「新国家の騎士として動く、と。」 ミスターT「この異世界故に騎士になるが、地球なら警護者とも言える。弱きを助け、強きを挫く。 今後も王城みたいな連中が必ず出てくる。異世界惑星を守る存在が必要だ。」 弱きを助け、強きを挫く、か。確かに警護者に合った概念だが、実際にそんな偉そうな存在 ではない。警護者の手は血みどろに染まっている。どんなに言い繕っても、殺し屋でしかない のだからな。 ミスターT「お前さん達なら、どんな道だろうが突き進める。勇ましい者として、今後も全ての幼子 達を守ってあげてくれ。」 エメリナ「・・・分かりました。」 踏ん切りが着かない雰囲気の3人。その胸中が痛いほど伝わってくる。 妹達の場合は、リューヴィスの出身者とあり、守るべき存在があるから動けるのだろう。 対して、この3人の場合は既に帰るべき場所はない。故郷を魔物に滅ぼされてしまっている。 後聞きになるが、これはイザリア達は一切関与していないとの事だ。 そう、彼女達の故郷を襲ったのは、王城の連中だ。その後に啓示を与えるとは、愚の骨頂 そのもの、全ては連中が仕組んだ流れだったのだ。これを伺った時は、怒りと憎しみが湧き 上がったが、当の本人達は気にも留めていない。ここが彼女達の強さなのかも知れないな。 幾分か暗い雰囲気の場に、颯爽と現れるは幼子達である。3人に抱き付き、甘えだした。 その無邪気な姿に笑顔を取り戻し、共に戯れだす彼女達。 3人の胸中には、既に答えを得ている。妹達と同じ境遇である彼女達は、リューヴィスの 女性陣を支えるべきだと。初めて現地に訪れた時の彼女達の表情からして、それは十分感じる 事ができた。 俺が自身の行動を振り返るために、エリシェとラフィナに愚痴るのと同じ感じだな。3人も 俺に愚痴る事により、己の生き様を再確認したのだろう。俺が彼女達の立場なら、同じ事を するのは想像に難しくない。本当に、女性は強いわ・・・。 今も幼子達と戯れる3人を見つめ、一服しながら静かに見守り続けた・・・。 第15話へ続く。 |
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