アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝8
〜覆面の探索者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝8 〜覆面の探索者〜
    〜第2部・第3話 禁断の兵器1〜
    新大陸の探索が続く中、地球から新たな転送召喚者が来訪する。デュリシラ・ナツミYU・
   シューム・カラセアの4人だ。生粋の警護者である彼女達の到来により、3大都市の移住者達
   の指針になる行動が打ち出されていく。言わば、育成のスペシャリストである。

    流石のミツキやナツミAも、4人ほどの手腕はないため、全ての行動を委任させたようだ。
   また、トラガンチームの女性陣も、4人に合流して行動を開始している。リーダーとなる存在
   が不在だったため、4人の合流で飛躍的に強化がなされそうだ。

    それでも、喫緊の問題は数多く残る。地上戦闘では無類の力を発揮する一同だが、特殊兵装
   を出された場合は異なってくる。今は強化を続けるしかないが、こちらも別のプランを考える
   しかなさそうだ。



シルフィア(これはマズいわね・・・。)
    正式に四女傑の合流を終えた俺達。そんな中、シルフィアより念話が入って来た。かなり
   切迫している雰囲気である。
ミスT(どうした?)
シルフィア(T君が懸念していた1つが、実現しそうになっているわ。)
ミスT(・・・デハラードの遺物か。)
スミエ(はい、宇宙船の始動計画です。)
   挙げられた内容に、一同騒然としだす。これは過去に挙げてた懸念材料で、それが実行された
   場合は相当な危険度となる。魔力や魔法の概念を超越しているため、正に破壊神の降臨となる
   だろう。
ミスT(イザリアさん達に聞きたい。お前さん達が乗っていた宇宙船の武装は何だ?)
イザリア(未改造の戦闘艦なので、レールガンが主力兵器となります。バリアとシールドの防御機構
     も発動可能です。ですが・・・。)
イザデラ(善悪判断センサーが施されている手前、連中には稼動させる事は不可能だと思います。
     ただそれは、現段階では・・・となりますが。)
ミスT(・・・魔力や魔法の概念で、何処まで自由化できるかが問題点か・・・。)
   最大の懸念材料が出るかどうか、ここに今後の命運が掛かっていると言える。

    地球での悪党共は、最後まで5大宇宙種族のテクノロジーを使う事ができなかった。そう、
   どう足掻いても、善悪判断センサーの前では力を使う事ができなかった。ヘシュナを利用して
   使おうとはしたが、逆に彼女自身が悪役として相手を操ったぐらいである。

    対して、異世界惑星はかなり事情が異なる。問題とされるのは、魔力と魔法の概念だろう。
   イザリア達が言うには、魔力や魔法はニュートラルの属性を持っているとか。それにより、
   その属性を善悪判断センサーの善側に仕向けられるとしたら、5大宇宙種族の力を使う事が
   可能となる。

    イザリア達自体、魔力と魔法の概念には不可解の領域だと言い切るため、現段階では対処法
   は難しいとされる。手っ取り早いのは、見つけ次第速攻破壊する、だろうな。

アクリス(・・・推測なのですが、魔力と魔法が始動と操作のキーとなるなら、私達の魔力と魔法を
     使えば、容易に操れるのではないでしょうか?)
イザリア(可能だとは思います。ですが、仮に敵地まで乗り込んで稼動させるぐらいなら、私達が
     直接乗り込んで稼動させた方が手っ取り早いです。)
イザネア(姉様、連中が稼動させる事ができないのが、自身の抱く悪心とするなら、アクリス様方の
     様な魔法使いを利用する可能性もあります。)
イザデラ(言葉巧みに利用する、か。悪党の性根を踏まえれば、十分可能性はあるわね。)
    アクリスと魔女三姉妹の真剣な討論に、他の魔法使いは興味津々に聞き入っている。もし、
   イザネアの言葉が当たるなら、俺が持つバリアとシールドの防御機構が発生するペンダントを
   使える事になるだろう。
ミスT(確認しようにも確認できないか・・・悩ましいな。)
ミツキ(むぬっ? Tちゃんが悪心を抱けばOKじゃないわぅか?)
ミスT(それが罷り通るなら、この姿を維持できんだろうに・・・。)
   簡潔的に述べてくる彼女だが、実際に結果は出ていると周りは頷いている。少しでも悪心を
   抱こうものなら、即座に性転換状態は解除されるだろう。その中には、邪な心も該当する。
ナツミA(んー・・・エロ目サーチを開始しても、その状態が解除される事もありませんし。)
ミツキ(ハッ?! 各ペンダントちゃんからの、公認のものになったわぅか?!)
ミスT(嫌な検証結果だなそれ・・・。)
   姉妹の真面目ながらも茶化しが入る言葉に、周りの女性陣から引っ切り無しに殺気の目線が
   浴びせられる。しかし、先程と同じ様に、実際に検証結果が得られたと同じなので、黙認して
   いるようだが・・・。

デュリシラ(そもそも、アクリス様のプランは一理ありますが、強引過ぎるため無理でしょうね。
      もしファンタジー関連の概念が働くなら、そうした強制的な稼動だと暴走する恐れが
      出てきますし。)
ナセリス(そこは以前、挙がりました。そもそも、5大宇宙種族のテクノロジーは、非常に繊細さを
     持っているので扱いが難しいのです。)
ミュティナ(最初の頃は、各ペンダントに能力を付与する際、暴走して爆発したとの事が。)
ミスT(・・・各ペンダント自体、暴走する恐れがあるのか・・・。)
    今更ながら、とんでもない事実を知る事となった。俺達が持っている各ペンダント自体、
   相当デリケートな逸品らしい。確かに、そうでなければ善悪判断センサーなど実現不可能と
   思われる。
ミツキ(むふっ♪ Tちゃんなんか、何回暴走させているか分からないわぅね!)
ナツミA(そうねぇ〜。)
ミスT(はぁ・・・墓穴を掘る場合もあるしな・・・。)
   同じく、今更ながらの事だと呆れる一同。俺の墓穴を掘る様は、何度となく見られている。
   同時にそれが、各ペンダント自体の安全性を確立する結果になるのだから、実に皮肉な話だ。
シューム(私が言うのも何だけど、大事なのはこの大陸に住まう面々の厳守よ。後は造船都市の面々
     の厳守かな。王城周辺は望んでそこにいるんだから、一切考える必要はないわ。)
ナツミYU(マスターが全てを守りたいという一念も分かります。しかし、それよりも大事な存在が
      目の前にいるではないですか。その彼らを守り通す事が、警護者としての使命であり、
      ケジメだと思いますよ。)
ミスT(ケジメ、か・・・。)
   シルフィアとは異なる述べ方をしてくれたシュームとナツミYU。それに幾分か心が落ち着き
   だしてきた。今の今まで抱えていた問題を、別の観点から解決せよと挙げてくれた。これには
   感謝するしかない。

シルフィア(シュームさんとナツミYUさん、それに皆さんに感謝しなさいな。私は君と同じく、
      実直に物事を解釈して進むしかできない人間だからね。エリシェさんやラフィナさんは
      愚痴を聞いて解決してくれる。周りあっての君自身よ。)
ミスT(・・・本当にそう思います。)
    ただただ感謝するしかない。つまり、自分では解決しようとしなかった事になる。それに
   より、周りの様子を伺い、答えを待っていたに過ぎない。
デュリシラ(それでも、先程のシューム様の言い分、相手が望んだ道を進んでいる、この部分だけは
      踏まえて下さい。でないと、全てを守ろうとして潰れますよ。)
ミスT(ああ・・・可能な限り善処する・・・。)
シューム&シルフィア(はぁ・・・。)
   近場にいるシュームと、遠方にいるシルフィアから同時に溜め息が出る。それを聞いて、悪い
   ながらも笑ってしまった。俺に足りないのは、大らかさなのだろうな。

    ちなみに、俺達の“普段通り”のやり取りを目の当たりしたためか、絶句している妹達と
   リューヴィス女傑陣。この場合は、ただ単に大人の会話に入れない感じだろうか。かく言う
   俺も、まだまだお子様なので、身内の女性陣には到底敵わないのだがな・・・。

    それでも、こんな俺を心から慕ってくれている。その彼女達の笑顔を守るべく、今後も俺は
   己が生き様を貫いて行く決意だ。

    中半へと続く。

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