アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝8
〜覆面の探索者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝8 〜覆面の探索者〜
    〜第2部・第4話 覇道の存在4〜
エリシェ「アハハッ、我ながら脱帽と言うか何と言うか。」
ラフィナ「日本で有名な戦艦大和が、臨時の豪華客船状態ですからね。」
ミスターT「オリジナルの艦には申し訳ないだろうが、レプリカの同艦は正に人を救う艦と化して
      いるしな。本当の大活躍と言える。」
エリシェ「ですね。」
    現在の状況を目の当たりにして、苦笑いを浮かべるしかない。しかし、これは力の誤った
   使い方ではない。戦艦は人を殺す兵装だが、それが人を救うのに役立つのなら、最強の剣と盾
   と言える。特に盾としては最強クラスである。
ミスターT「・・・1つ愚痴を言うなら、重装甲飛行戦艦を出せば、簡単解決なんだがな。」
ラフィナ「それはタブーです。でも、既に何時でも派遣は可能ですよ。もし、3隻ある宇宙船で、
     1隻でも浮上した場合は、問答無用でそれを出します。レプリカ大和とレプリカ伊400
     では荷が重過ぎますし。」
ミスターT「海上運用しかできないのが最大の欠点だしな。」
   今は大活躍中のレプリカ大和とレプリカ伊400。しかし、相手が飛行兵器となった場合、
   この2隻だけでは劣勢に立たされる。そこからは、段階を経るように、見合う兵装を出して
   いくのが無難なのだろうな。

エリシェ「そう、その見合う兵装を出す、ですよ。」
ミスターT「はぁ・・心中読みか・・・。」
ラフィナ「まあまあ。ですが、その見合う兵装や見合う力なら、マスターが苦悩されていたあの一念
     を払拭できます。調停者と裁定者を担うのなら、力は適切に出してこそですからね。」
ミスターT「警護者の役割、か・・・。」
    自然と一服しだす2人。ここ異世界に来てから、2人の喫煙する姿が目立つ。それだけ過度
   のストレスが溜まっている証拠だろう。かく言う俺も、何時の間にか一服しているが・・・。
エリシェ「あー・・・私も愚痴を良いですかね?」
ミスターT「何時も世話になってるしな、俺で良ければ何でも言ってくれ。」
エリシェ「えー、では・・・。」
   一服しつつ、懐から手帳を取り出す。ページを捲りつつ、ある場所に目を留め、溜め息を付き
   だしている。
エリシェ「もしも、重装甲飛行戦艦・宇宙戦艦7隻を投入した段階での、今までの合計費用ですが、
     ザッと1兆円を超えます。」
ミスターT「は・・はぁ・・・。」
エリシェ「お支払いは、貴方に任せてもよろしいでしょうか?」
ミスターT「か・・勘弁してくれ・・・。」
   半ば怒り気味つつも、エラいニヤケ顔で笑うという荒業を放つエリシェ。ラフィナの方も同じ
   表情を浮かべている。喫煙の回数が多くなった事も踏まえると、相当な心労度だわな・・・。

ナセリス「ん? 資金面でお困りなら、5大宇宙種族が代理決済しましょうか?」
    そんな俺達のやり取りに首を突っ込んでくるナセリス。5大宇宙種族の総資産は、地球の
   総資産では太刀打ちできない規模を誇っている。エリシェが挙げた金額など朝飯前だ。
エリシェ「い・・いえ・・・今のは愚痴なので・・・。」
ナセリス「んー・・・分かってて言いましたけど?」
ミスターT「このじゃじゃ馬娘め・・・。」
   俺の肩を持ってくれたのは良いのだが、そのナセリスの表情が実に嫌味たらしいのが何故か
   気に食わない。そんな彼女を捕まえて、両頬を捏ね繰り回した。それに悲鳴を挙げて降参して
   くる。
ラフィナ「ま・・まあ、つまりですが、実際に力を使うのにも資金が必要な訳です・・・。」
エリシェ「特に人件費が大変ですからね・・・。」
ミスターT「んー・・・この娘を分身させて暴れさせれば良いと思う・・・。」
   素に戻って、淡々と現実を語るエリシェとラフィナ。その2人を前に、今もナセリスを揉み
   くちゃにし続ける。今も悲鳴を挙げているが、嬉しそうにしているのが何とも言えない。

ミスターT「・・・まあでも、確かに巨額の資金が必要だが、それで助かる人物がいるのなら、俺は
      使うべきだと思う。俺の貯蓄は微々たるものだが、もし必要な時は言ってくれ。」
エリシェ「はぁ・・・真に受けて貰っても、どうしようもないのですけど・・・。」
ミスターT「んー・・・ならば、全て片付いたら、みんなで飲み会でもやるか。」
ラフィナ「おー! そのプラン乗りますです!」
    解放したナセリスを避けつつ、俺の両手を握り締めて来るラフィナ。それを見たエリシェと
   ナセリスから、物凄い殺気に満ちた目線で睨まれる。先程まで嬉しがっていたナセリスが、
   正に一変するかの様な姿だ・・・。
シルフィア「和気藹々もよろしいけど、まだまだ前途多難なのを忘れないようにね。」
スミエ「大丈夫ですよ。ミツキ様が生き様、楽観主義こそが最強の一手ですから。」
ミスターT「最強の一手、ねぇ・・・。」
   移動準備の完了を報告してくれるシルフィアとスミエ。俺達のやり取りを見て呆れ顔である。
   しかし、潜入捜査任務が厳しい様相だったからか、表情が硬いままだ。
エリシェ「既に帰られた後に言うのも何ですが、向こうでは大丈夫でしたか?」
スミエ「全く以て問題ありませんでしたよ。私もシルフィア様も、性転換状態で男性化していたのが
    良かったと思われます。女性のままだったら、少々危なかったかも知れませんが。」
ミスターT「・・・これだから野郎は・・・。」
シルフィア「ハハッ、ありがとね。でも大丈夫よ。王城の連中は、力を得ようとするばかりの愚者共
      だったし。それに、ほぼ女性の姿がなかったからね。」
ラフィナ「となると、メイドさんとかもいなかったのですか。」
   意外な実状を伺えた。どうやら王城は、本当に力を欲する存在に至っているという事だ。

    こうした悪党のセオリーとしては、世話係に女性がいるのを良く見る。だが、今の王城には
   それがないらしい。意外な実状である。そう言えば、某宇宙戦争の悪の極み共は、終盤の様相
   は殺伐としている。とにかく完全なる屈服を目指すからか、娯楽自体なさそうに見える。

ナセリス「それと、親玉にお会いする事はできました?」
スミエ「いえ、そこまで接近させてくれませんでした。専ら、城内の情報部門の担当などでしたし。
    まあ、念話があったので、要らぬ詮索はされませんでしたけど。」
シルフィア「そこですよねぇ。もしこれが、普通の手紙やら別人物との連携だと、相手に悟られる
      恐れがありましたし。」
ミスターT「宇宙種族のテクノロジーに救われた感じだわな。」
    本当にそう思う。悪心を持つ者には、使う事ができない力である。同時に、感知もされない
   ので、普通に過ごす事ができるのだ。つまり、食事などの生活行動以外は、本当の暗躍だけで
   済むのである。
ミスターT「はぁ・・・地球で当たり前の警護者の活動が、ここでは更に開花する感じだわ。」
シルフィア「そうねぇ・・・。」
スミエ「むしろ、任務の状況を踏まえると、地球の方が遥かに恐々しいですけどね。」
ミスターT「一撃必殺の重火器が多々ある現状だしな。」
   異世界では、弓矢や魔法などの遠距離攻撃しかないが、地球のような重火器などの火器兵器は
   一切ない。弓矢と魔法も、当たり所が悪ければ致死性があるが、重火器のような弾丸ほどの
   致死性は全くない。地球での警護者の行動が、どれだけ逸脱しているかが窺える。

    後半へと続く。

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