アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝9
〜覆面の苦労人〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝9 〜覆面の苦労人〜
    〜第1部・第06話 聖獣と神獣と魔獣と3〜
    再び掲示板に目を戻し、依頼の数々を物色しだす。不意に俺のコートの裾が引っ張られる。
   そちらを窺うと驚いた。こちらの腰程度の背丈の人物がいたのだ。

    フードを被っており、外見上からは小人的な感じである。しかし、その人物から発せられる
   オーラは、傍らに居るリドネイと何ら変わらない。つまり、それなりの高貴なる人物だと直感
   できた。

    その人物と目線を合わせるため片膝を付く。傍らのリドネイも同様に、その人物と目線を
   合わせるために片膝を付いた。すると、エラい慌てだしているではないか。

ミスターT「あー・・・まあ今は初対面だから、一切気にしなさんな。」

    そう言いつつ、相手の頭をポンポンと軽く叩く。その言動を受けたからか、慌てていた状態
   から落ち着いていった。本当に、この手の癒しの一撃は恐ろしい事この上ない。

    落ち着いたのを見計らってか、相手が徐にフードを取り除く。すると、再度驚かされた。
   現れたのは長い銀髪で、表情は赤みは掛かっているが非常に色白。しかも両耳は尖っていた。

    言うまでもない。相手はファンタジー世界観でお馴染みのエルフ族だ。そして、身形から
   して女性だと判断できた。

ミスターT「俺はミスターTと言う。こちらは相棒のリドネイ。」
リドネイ「こんにちは、初めまして。リドネイです。」
エルフの少女「あ・・・私は、ナーシャと申します・・・。」

    ナーシャと告げる彼女。その様相は、初対面時のリドネイを見ているかのようだ。オドオド
   とした雰囲気が非常に似ている。肌の色・髪の色・背丈こそ異なるが、まるで姉妹のようだ。

    ちなみに、リドネイはダークエルフ族だが、銀髪ではなく金髪である。身内が挙げていた
   作品群では、エルフ族は金髪が多く、ダークエルフ族は銀髪が多いらしい。実際にこうして、
   真逆の髪質なのには驚くしかない。

    まあ、これこそが多種多様の種族の現れだ。日本人はほぼ黒髪だが、海外は黒髪以外に金髪
   や銀髪の方々もいる。流石に赤髪や青髪に緑髪はいないが・・・。


    しかし、エロ目ではないが、どうしてこうも異世界は美女がいるのだろうか。いや、美女
   だけではない、美男子すら存在している。多種多様の種族がいるため、実現できるのだろう。
   地球ではまず考えられないものである。

    これだけ多種多様の種族がいれば、それだけ差別や偏見も存在する。地球の比ではないもの
   になる。実際に狼人族のトーラが、そういった差別を受けていた。

    エルフ族のナーシャや、ダークエルフ族のリドネイ。彼女達がフードで顔を隠したりする
   のは、種族特有の外見を隠す意味もある。トーラも同じ事をしていたしな。

    全ての種族は、所詮は一生命体に過ぎない。それなのに、今も差別や偏見が横行している。
   この流れは、地球だろうが異世界だろうが、今後も消える事はないだろう。



    掲示板の前での立ち話も何だと、場所を移動して対話を行う事にする。ただ、今も冒険者
   ギルド内はテンヤワンヤの状態なので、ここはギルドの外に出て話す事にした。

    既に身形は分かっているので、今更フードで隠す必要はない。そこで、態と堂々とする姿を
   示してみる。俺の半分ぐらいの背丈の彼女を、左腕で抱きかかえ、左肩へと乗せてみた。我が
   娘の様な対応をしたのだ。

    実際にこうした事をする意味はない。だが、地球でも十分ハッタリが通用するのだから、
   異世界でも問題なく通用する。となれば、我が道を貫き続けるしかない。


リドネイ「・・・・・。」

    傍らにいるリドネイの表情が、非常に不服そうだ。対してナーシャの表情は、実に嬉しそう
   にしている。流石に身長180cmを超えるリドネイは、この様に抱きかかえる事は厳しい。
   リドネイ自身も小柄であれば、こうした行動は可能ではあるが・・・。

    まあこの場合は、間違いなく嫉妬心からくるものだろう。初対面のナーシャに対して、何気
   なくこの厚意を行ったのだ。不服とするのは言うまでもない。

ミスターT「はぁ・・・ナーシャさんや、詳しい話を頼むわ・・・。」
ナーシャ「は・・はい・・・。」

    殺気も放たれだしている状態に、顔を青褪めているナーシャ。その彼女に、こちらに語り
   掛けて来た事を伺った。リドネイの方はまあ、今は呆れるしかない・・・。


    ナーシャから語られたのは、3種の獣を探して欲しいという内容だった。その内容を伺う
   限りでは、非常に楽だと思った。だが、更に語られた内容を伺い驚愕した。何と相手は聖獣・
   神獣・魔獣である。

    聖獣や神獣の探索なら、高貴なるエルフやダークエルフなら分かる。そこに、魔獣も加わる
   事に驚くしかない。しかもこれ、普通の魔獣ではなく、聖獣や神獣に匹敵する高貴な獣との
   事だ。

    何故ナーシャが、3種の高貴なる獣を探しているのかと言うと、エルフ族の役割らしい。
   言わば守護者的な存在らしく、彼女は代々その役目を担っていると言うのだ。

    となると、ダークエルフ族のリドネイも該当するのかと思ったが、彼女の方はその役目を
   担っていないとの事だ。そもそも、数週間前までは奴隷の身分だったため、仮にその役目が
   あったとしても、とても担う事はできなかった。

    それに、ダークエルフ族のリドネイには悪いが、守護者と言う意味合いでは、エルフ族の
   ナーシャが適任だと思われる。見た目の問題と言う偏見になるのだが、結局の所はそれが事実
   になってしまうだろう。まあこれに関しては、俺の独断と偏見なので論外と言える。


    そして驚いたのは、ナーシャはエルフ族の王族らしい。王女とも言えるのだが、今の現状
   からして伏せているようだ。何らかのイザコザがあったと思われる。

    これに関しては、リドネイも全く同じ経緯と言う。改めて、彼女の素性を伺ったのだが、
   ナーシャと同じくダークエルフ族の王族出身らしい。つまり、王女という事になる。

    また、ナーシャもリドネイも、お互いに知人ではないらしい。ただ、彼女達の親近の人物は
   顔見知りかも知れない。途方もない年数を、閉鎖的な空間で生きているのだ。滅多に会う事は
   ないだろう。

    ちなみに、リドネイは500歳らしい・・・。ナーシャは200歳との事だ・・・。それを
   伺って、心の底から呆れ返ってしまったが・・・。


    それと、エルフ族のナーシャも、特別な感知能力を持っていた。俺の身体に付与的な憑依を
   している、創生者ティルネアを見て驚愕していた。リドネイもそうだったが、ナーシャもこの
   手の精神体を感知する事ができるようだ。

    同時にそれは、本体から分体を行って付与する事も可能となる。既にリドネイには、分体
   したティルネアがいる。いざとなったら、ナーシャにも分体を付与する事ができるだろう。
   念話も使えるようになるため、連絡要因としては最強の存在である。

    中半3へと続く。

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