| アルティメット エキサイティングファイターズ 外伝9 〜覆面の苦労人〜 |
| アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝9 〜覆面の苦労人〜 〜第1部・第07話 猫人族の三姉妹7〜 ミスターT「改めて、初めまして。俺はミスターT。」 リドネイ「リドネイと申します。」 ナーシャ「ナーシャです。よろしくです。」 昨日と同じ部屋に戻り、ソファーに三姉妹を座らせる。その彼女の前に片膝を付きつつ、 自己紹介を行った。今の今まで、自己紹介を行う機会はなかったからな。リドネイとナーシャ も同様だった。 俺達の行動に立ち上がろうとするが、その行動を押し留める。今後の事を踏まえて、今は 落ち着いて貰った方がいい。 三姉妹1「アルデと言います・・・。」 三姉妹2「カルデです・・・。」 三姉妹3「セルデです・・・。」 ミスターT「了解。よろしく、お嬢さん方。」 それぞれ自己紹介を行う三姉妹。長女はアルデ、次女はカルデ、三女はセルデとの事だ。 今気付いたのだが、この三姉妹は三つ子だった。頭の猫耳がピコピコ動く、実に可愛らしい。 尻尾も健在である。流石は猫人族だ。 ともあれ、今は彼女達の身体を完全回復させるのが重要だ。三姉妹の前に両手を掲げて、 回復と治癒の魔法を唱えていく。 ミスターT(癒しの力よ、この者に活力と希望を。スーパーヒーリング、ナチュラルキュア。) リドネイを治療した時と同じ、回復魔法と治癒魔法を三姉妹に放った。淡い光が3人を包み 込んでいく。彼女達の様子を見ながら施したのだが、見る見るうちに身体の傷などが消えて いった。三姉妹の方も、自身の身体の気怠さが消滅した事に驚愕している。 ただ、潜在的な病が巣食っている恐れもある。ここは数分間、治療を行うべきだろうな。 そこで、傍らのティルネアに見定めて貰う事にした。 回復と治癒の魔法を放ってから数分後。ティルネアより止めの声が掛かる。治療を終えて、 3人を見つめる。先程までの様相が一変して、健康体そのものなっていると確信が持てた。 彼女達の表情を窺えば、一目瞭然だろう。 リドネイの時は衰弱は無論、負傷もしており病魔も蔓延っていた。よくぞ生きていてくれた と言うしかない。対して、三姉妹の場合は衰弱のみだった。この点を踏まえて、一応彼女達 にも回復魔法以外に治癒の魔法を使った訳だ。 創生者ティルネアと初対面後、徹底的に各種能力の付与を吟味して本当に良かったと思う。 あの時、もし何もせずに異世界に到来していたら、一体どうなっていたのか。今となっては 想像すらしたくない。 己だけの力では、こうして誰も救う事などできなかった。仮に衰弱のままの4人だったら、 その後の彼女達の行く末は言うまでもなかっただろうな・・・。 治療を終えて、目の前の三姉妹を見つめる。奴隷商館での初見時とは雲泥の差だ。身体から 発せられるオーラが、明らかに違うのを感じ取れる。リドネイの時も同じだったので、間違い なく完全回復したと言えた。 後は身形の問題だが、これはリドネイとナーシャに任せるしかない。男性の俺には無理な 領域だしな・・・。 ミスターT「これで大丈夫そうだの。」 リドネイ「完璧ですね。」 治療が終わった身体を見入る3人。その彼女達の身体に触れていくリドネイとナーシャ。 先程までの衰弱した様相ではなく、すっかり健康体へと戻っていた。 今も自身の身体を見て、驚き続ける三姉妹。その彼女達のそれぞれの頭を、優しく撫でて あげた。何も心配しなくていい、その一念を込めて。すると、不意に涙を流しだした。この涙 に込められているのは、悲しみの払拭と歓喜の一念だろう。 ただし、これだけでは終わらない。リドネイにも行った、最後の一手を行う必要がある。 それに、リドネイ自身にも同じく行うべきだ。 リドネイとナーシャに慰められている三姉妹。彼女達の前で、巾着袋に入れてあった奴隷の 首輪を取り出す。それを見て、サーッと顔を青褪めていく。 その彼女達の前で、両手に持った3つの首輪に“トドメの一撃”を加えた。腰に装着して いる、通常日本刀を鞘から抜き放つ。その刃を使い、3つの首輪を可能な限り滅多切りにして 破壊した。 その様相を見て、驚愕の表情を浮かべる三姉妹。リドネイとナーシャの方も、同じく驚愕の 表情をしていた。そのボロボロになった元奴隷の首輪の残骸を、再度巾着袋に戻していく。 そして、向かって左側にいたリドネイの前へと進む。一旦彼女に通常日本刀を持って貰い、 徐にその首へと手を回した。今もカモフラージュとして装着していた奴隷の首輪を取り外す。 再び通常日本刀を受け取り、先と同じ様に奴隷の首輪を滅多切りにして破壊する。 この行動に対しても、5人は驚愕の表情を浮かべていた。特にリドネイが一番、驚愕の表情 を浮かべている。こちらも、元奴隷の首輪の残骸を巾着袋へと入れた。 ミスターT「これで、本当の意味で自由だ。今後は、奴隷の身分など一切気にしなくていい。」 通常日本刀を鞘に仕舞いつつ、呆然としている彼女達に語る。三姉妹は今を以て、奴隷から 解放された。リドネイの方も、改めて奴隷から解放された事になる。 一応、ティルネアに4人に“隷属魔法の残滓”が無いか調査して貰った。俺にはそういった 探索能力はないため、彼女に委ねるしかない。結果は、“完全なる自由”だと告げてくれた。 目の前で起きた現実を、信じられないといった雰囲気でいる4人。その彼女達に対して、 改めて両膝を付いて頭を下げる。 ミスターT「同族のカス共が、貴方達に酷い仕打ちをした・・・。本当に申し訳ない・・・。」 彼女達を解放した時に、俺は必ず行おうと決めていた。俺自身は当事者ではないが、同じ 人間である以上同罪に等しい。その彼女達に、俺は心から謝罪をする。 ミスターT「俺にできる事は、このぐらいだ。詫びても許されるものではない。だが、あえて貴方達 にお願いしたい。今後も盟友として、共に戦ってはくれないか?」 頭を上げて4人を見遣る。呆然としている彼女達を見ながら、改めて本当の思いを語った。 彼女達以外にも、その傍らに居るナーシャにも目を向ける。 先の謝罪は4人に対してだが、盟友として共闘を望む姿勢にはナーシャ自身も含まれる。 俺にできる事は限られているが、できる限り彼女達の助力を賜りたい。 こちらの懇願を伺い、徐に俺の手に自身の手を添えるリドネイ。同じく、ソファーに座って いる三姉妹も添えて来た。何時の間にか、4人とも号泣している。 アルデ「こんな・・・夢みたいな事・・・ありがとう・・ございます・・・。」 カルデ「・・・盟友は・・・詳しく分かりませんが・・・私にできる事なら何でも・・・。」 セルデ「本当に・・・ありがとうございます・・・。」 涙で顔をグシャグシャにしつつ、感謝の言葉を述べていく三姉妹。数時間前では、全く考え られない未来だろう。少なくとも、3人をプラスへと進められたのは間違いない。 リドネイ「・・・貴方様には、多大な恩があるのですよ・・・。それなのに・・・。」 ミスターT「まあ・・・“ルデ・シスターズ”への行動の手前、お前さんだけ行わないのはな。」 三姉妹と同じく、涙で顔をグシャグシャにしながら語ってくる。リドネイ自身の解放は、 既に行っていた。ただ、今回の流れは仮の奴隷の姿を消すためもある。 俺が語った通り、三姉妹だけ完全解放するのは失礼だ。となれば、リドネイも含めた完全 解放が良い。これで、真の意味で足枷は取れたと思いたい。 後半3へと続く。 |
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