アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝9
〜覆面の苦労人〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝9 〜覆面の苦労人〜
    〜第1部・第07話 猫人族の三姉妹 リドネイの視点〜
    〜リドネイの視点〜

    このお方は、何処までも献身的なのでしょうか・・・。


    今も一同と雑談するマスター。先程の宿屋での一件では、どちらかと言うと呆れ返ると言う
   しかありません。

    所有する奴隷の解放は、ご自身が持つ財産を手放すも等しい。それを物ともせず、三姉妹や
   私の隷属の楔を悉く斬り捨てたのです。奴隷の首輪を文字通りの斬り捨て。実に皮肉かと。

    これで、私や三姉妹の楔は一切消滅。隷属魔法の残滓に関しては、ティルネア様に調査して
   頂いたようで、一切の痕跡はないとの事です。本当の意味での自由を掴めるとは・・・。

    ここまで尽くされると、私の方もマスターに誠心誠意、尽くし抜かねば失礼極まりない。
   ですが、あの方からすれば無粋だと一蹴するのでしょうね・・・。


    何処までも他者に尽くす姿勢、本当に見事としか言い様がありません。それは単に、異世界
   での警護者という職業が成し得る業物なのでしょう。ご自身の生命を賭して、他者を厳守する
   など考えられない事です。

    そう言えば、マスターは厳守の言葉を多用されますね。死守の方が言葉のアヤ的に合うの
   かと思います。ですが、それでは死んで守るという意味になるから嫌なのだと・・・。

    何処までも共に歩む姿勢を崩さない、本当に脱帽するしかありません。私に同じ生き方が
   できるかと問われたら、間違いなくできないでしょう。それだけ、守りたい存在、大切な存在
   が居る証拠ではないでしょうか。


    今後は、今以上に熾烈を極める流れになりそうです。色々と伺う所、最悪は戦争規模にまで
   発展すると読まれています。ティルネア様も危惧されているようで、阻止すべく奔走すると
   決意されていました。

    遂行者としての生き様を徹底されている。私には到底真似ができないものです。ならば、
   マスターの片腕として、何処までもお供をし続けるのみです・・・。


    それと、今度マスターとは手合わせをしてみたいものです。ご本人は誤魔化していますが、
   恐らく相当の手練れであると直感ができます。先の昇格試験時の戦いでも、その手腕は見事な
   ものでした。

    烏滸がましいですが、私はダークエルフ族の中ではトップクラスの実力を持っています。
   その私の実力が、マスターにどの程度通用するのか、是非とも拝見させて頂きたいものです。

    まあ・・・ご本人は、相当嫌がると思われますが・・・。


    ちなみに・・・どうやらマスターは、女性誑しのようですね・・・。私は無論、他の女性
   への一念が出つつあります・・・。男性だから仕方がないのかも知れませんが、どうも気に
   障る感じです・・・。

    ただ、それでも根幹は女性を大切にされているのは痛感しています。これは女性だけでは
   なく、男性も含めた全ての人物に対してでしょう。ウェイス様方とも親しくされているので、
   女性誑しと言うよりは人物誑しと言うべきでしょうか。

    そんなマスターだからこそ、私も心から付き従うのでしょうね。マスターの傍らで、共に
   歩める事に心から感謝しています。


    ふと目線が合うと、小さく笑みを浮かべられました。それを見てか、私の顔が赤くなるのを
   憶えます・・・。やはり、何時の間にか・・・マスターに恋心を抱いているようです・・・。

    全てが終わった時に、この思いを打ち明けられれば・・・。そんな思いを抱きつつ、今この
   一時を心に留めておきたいものです・・・。

    〜リドネイの視点、終了〜

    第8話へ続く。

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