アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝 〜覆面の風来坊〜 〜第1部・第17話 別れと再会2〜 ・・・それから3年の月日が経った。 気節は4月中旬。7年振りに風来坊から戻った時と同じだ。この巡り合わせにも、意味が あるのだろう。 マツミ「お久し振りですっ!」 ミスターT「元気かい?」 3年振りに帰郷。連絡は取り合っていたが、実際に会うのは久し振りだ。また今回戻った のは、新しい人材が多く見つかったためだ。 マツミ「お陰様で日本でもアメリカでも大きな運送会社になりましたよ。」 ミスターT「お役に立てて光栄だよ。」 3年でアメリカの運送会社に革命を起こした。今では日本よりアメリカの方が規模が大きい。 これも彼女達の尽力の賜物だろう。 マツミ「今後は日本の担当を依頼しようと思います。アメリカにはリュウジNさんとアフィさんが 担当しますので。」 ミスターT「了解です。」 マツミ「当面は日本で過ごして下さい。皆さんお待ちしていますよ。」 嬉しそうに語るマツミを見れば、3年間の活動は十分過ぎるものだと確信できるだろう。子供 のように喜ぶ彼女の姿を見れば、心からやり切ったと思える。 マツミの戦略は成功した。俺がアメリカで基礎の確定を行う事で、人材輩出が容易となって いった。特に大陸移動がメインとなるのだから、トレーラーを用いた運送業は急激に需要が 増えた。 今までは他にも運営会社があったのだが、ここまで巨大な会社はなかった。そこにマツミの 起業が相まって、凄まじいまでの大きさになっていったのだ。 それに陰ながら三島ジェネカンのバックアップもあり、今ではトップクラスの実力を持つに 至っている。これが会社を大きくさせる決定打とも言えるだろう。 今となってはマツミの会社を知らないトラック野郎は存在しない。特に海外での知名度は 尋常じゃないぐらい広まっている。流石としか言いようがないわ・・・。 基礎作りに役立ったのは光栄な事だ。新天地での俺の生き様が刻めたのだから・・・。 3年振りの地元、周りは全く変わっていない。街並みはどれも懐かしく、当時の記憶を沸き 立たせる。バッグを背負い街並みを見て回った。 街並みは様変わりしている。古い建物は新しくなり、道路も以前よりは舗装されていた。 しかし雰囲気は当時のままだ。懐かしい雰囲気に目頭が熱くなる。俺も歳だなぁ・・・。 エシェラ「先に帰りますね〜。」 女子学生「あまり焦ると転ぶよ〜。」 暫くして遠くの方で友人達と別れる女性がいた。服装が大学のものになったが、表情は今も 変わらない。今年21になるエシェラだ。 カバン片手に帰路を急ぐ。その時遠くにいる俺の姿を見つけ足が止まる。カバンを落とし、 両手で顔を覆って泣き出した。そのまま俺に向かって一直線に駆け出して来る。 エシェラ「ミスターTさんっ!」 思いっ切り俺の胸へと抱き付いてくる。勢い余って倒れそうになるが、彼女の抱き付きを 回転して相殺する事にした。言わば抱き付いたままジャイアントスイングを放つようなもの だろうか。 そのまま人目を気にせず熱い口づけをしてくる。その積極性に驚いたが、彼女の為すがまま にさせてあげた。久し振りの再会だ、このぐらいは黙認しよう。 エシェラ「驚きましたよ。向こうでの仕事はどうなさったのですか?」 ミスターT「一段落付いたから戻ってきた。マツミが言うには、当面は日本担当になるそうだ。」 エシェラ「また・・一緒にいられるのですね・・・。」 再び抱き付いてくる。この感情表現は前よりも激しくなっているな・・・。だが身体で表現 するのだから、心ではどれだけ耐えていたのかが窺える。もう我慢させる事はないだろう。 思いっ切り甘えさせてあげた・・・。 本店レミセンは何と2階建て店舗から、4階建て屋上付き店舗に建て替わっていた。しかし 内装は驚く事に当時のままである。これは見事としか言いようがない。 厨房では今年25になるシンシアが切り盛りしている。髪の毛をロングヘアにして、後ろで 束ねている。以前よりも増して美しくなっていた。 エシェラ「ただいま〜。」 シンシア「お帰りなさい。あと、いらっしゃい・ま・・せ・・・。」 お客さんが俺だと分かると声を失う。見る見るうちに泣き崩れ、調理そっちのけで俺の方 へと駆け付けて来る。そして思いっ切り抱き付いてきた。 シンシア「お・・おかえり・・なさい・・・。」 ミスターT「ただいま。」 余韻に浸る間もなく、静かに唇を重ねてくる。エシェラの再会の力強い口づけとは異なり、 情熱的だが実に優しいものだ。何時の間にか成長している彼女を窺い嬉しくなる。 シンシア「相変わらず・・変わりませんね・・・。でも嬉しい・・・、あの時と・・全く変わらない 貴方でいてくれて・・・。」 再び唇を重ねてくる。何か以前よりも増して積極的じゃないか・・・。まあいいか。彼女の 好きなようにさせてあげよう。俺はそれに応えるのみだ・・・。 シンシアとの甘い一時を終えて、カウンターに座り一服する。厨房に戻った彼女がコーヒー を差し出してくれた。それを飲みながら店内を見回す。 以前と寸分狂いないレイアウトだが、そのどれもが真新しい。厨房の方も新しいキッチンと なっており、スペースも複数の料理人がいても邪魔にならない程である。 ミスターT「ここも変わったな・・・。」 シンシア「以前の建物は老朽化が激しくて、トーマスCさんにお願いして建て替えました。以前と 全く同じにするのには骨が折れましたが。」 厨房で作業をしながら話に応じるシンシア。その手際の良さは凄まじく、もはや俺よりも 各段にレベルアップしている。 というかこれだけの規模での建て替えとなると、かなりの資金を要しただろう。それをも 難なくこなせるのは、やはりシークレットサービスの報酬であろうか。 以前は他の店舗も報酬で賄えたとも言っていた。それ相応の資金源があっての行動なのだ。 う〜む・・・流石としか言い様がないわ・・・。 エシェラ「今は私もウェイトレスとして働いています。後少しで保育士の免許が取れるので、それ まで資金稼ぎをしています。」 エシェラも未来を見据えての行動をしだしている。自分の生き様を刻むべく、今何をする のかを明確に見定めていた。 ミスターT「生き様を刻みだしてるね。」 エシェラ「地元の保育園なので、直ぐ会えますよ。」 ミスターT「ああ、そうだね。」 コーヒーを飲みながら物思いに耽る。風来坊の生活もよかったが、帰るべき場所と待っている 人があるのはいいものだ。俺は幸せ者だな・・・。 エリシェ「ただいま戻りました〜。」 ラフィナ「少し遅くなりまってしまいましたね。」 暫く雑談に明け暮れていると、エリシェとラフィナが入店してくる。エリシェは大学だろう 制服を着ているが、ラフィナはスーツ姿である。そうか、大学を無事卒業したんだな。 ミスターT「よう、元気そうだね。愛の歌姫と愛の旋律姫は板に据わったかい?」 丁度左側にエシェラがいる事で死角になっている。俺が顔を覗かせて軽く挨拶すると、2人 は声を失った。エシェラとシンシアの時と同じく、見る見るうちに泣き崩れていく。 カウンターから離れ、2人の元へと近付く。エシェラとシンシアとは異なり、その場で泣き 続けている。その2人を抱きしめ、胸の中で泣かせてあげた。 ラフィナ「う・・嘘じゃないのですね・・・現実なのですね・・・。」 エリシェ「もう・・会えないのかと思いました・・・。でも目の前には・・・貴方がいる・・・。」 先に動き出したのはラフィナだった。有無を言わず唇を重ねてくる。彼女も以前より積極的 になっているな。嬉しい限りだ。 遅れて今度はエリシェが唇を重ねてきた。彼女も積極的になっている。今まで我慢していた 心の内を放つかのように。嬉しい事には変わりないが、何とも・・・。 ミスターT「4人とも変わったよな・・・。」 厨房にシンシアが、カウンターにはエシェラ・ラフィナ・エリシェが並ぶ。俺は一番端の 椅子に腰を掛けた。一目で4人を見られるように。 ラフィナ「貴方は変わりませんね。優しさが以前よりも強くなっている。」 エリシェ「あの時進んで貰ったのが功を奏しました。あのまま行かせないで押し留める事も可能 だったのですから。」 本気といった表情で語る。他の3人も同じく目が据わっている。それでも俺を信じて進ませて くれたのだ。感謝に堪えない・・・。 エシェラ「3月にエリシェさんも20歳になりましたから、もう我慢する事もありません。」 ミスターT「そうだな、賭博や飲酒などもできるようになったしな。」 シンシア「それもそうですが、もっと大切な事もありますよ。」 うっ・・何となく嫌な予感がする・・・。多分俺の考えている事が正しいだろう・・・。 しかしそうすると、4人を相手にしないといけないのか・・・。何とも・・・。 エシェラ「でも決めるのは貴方です。無理矢理だと困るでしょうから。」 エリシェ「誰が先にとか、そういうのは考えてたくありません。貴方が分け隔てなく平等にくれた 愛情、望むのは私達全員に対しての純愛です。」 ラフィナ「貴方が背中を押してくれた事を、今度は私達が貴方の背中を押したいのです。」 シンシア「覚悟して下さいね。貴方が行動してくれた事を、数倍にして返しますから。」 怖い・・怖すぎる・・・。3年の月日は4人の美女を血に飢えた野獣へと進化させていた。 シュームが誘ってきたあの時と同じだ。彼女達も同じ道へと進んでいる。何だかなぁ・・・。 それでも彼女達が望むのなら、素直に従うべきなのだろう・・・。エリシェが語った通り、 分け隔てない愛情を与えていく。それが今までの俺の生き様である。 選ぶ時は近いだろう。俺も覚悟を決めないといけないわな・・・。 それぞれの各レミセンに足を運んだ。3年前に雇った女性陣は、今では完全無欠のマスター として君臨している。美しさにも磨きが掛かり、ますます人気は高まっていった。 リュリア「あ〜、お兄さんっ!」 その最中、下校途中のリュリアと遭遇する。彼女も3年が経過した今、少女から女性へと 成長しつつある。俺を見るなり駆け足様に抱き付いて来た。愛情表現は当時のままだ。 ミスターT「大きくなったな、元気だったか?」 リュリア「もちろんです。お姉さん達に色々とお世話になりましたから。」 僅か3年でここまで成長するものか。あのじゃじゃ馬娘がお転婆娘へと変身している。活発 さは健在だが、それでもこの成長っぷりは驚くしかない。 リュリア「私もお姉さん達と同じ、お兄さんが大好きですから。」 ミスターT「ハハッ・・・。」 真顔で言い切るのもまた凄い。というかシュームに似てきてないか・・・。まああの母ありて この娘ありだ。仕方がない事だろう。 ミスターT「進路は決めたのか?」 リュリア「まだ決めてませんよ。それに今年中学になったばかりですし、今は遊びたいですから。」 リュリアと一緒に本店レミセンへと向かう。その間、彼女から色々な事を聞いた。それに しっかり答えられる彼女。成長したと思わざろう得ない・・・。 幼い雰囲気のリュリアだが、考えは既に大人へと成長している。今後の進むべき道なども 明確に定め、今は一時の休日のように過ごしていると。 リュリア「でも・・・ウインドさんとダークHさんのように、警察官になるのが夢です。」 ミスターT「ふむ・・・。そう言えば2人はどうしてる?」 リュリア「レミセン本店裏手にできた交番にいます。行ってみましょうか。」 本店レミセンに戻る前に、リュリアの誘いで裏手にある交番へと向かった。彼女の話だと、 この地域の美人警察官として有名になっているとか。それでいて凄まじい強さを誇っている 事から、何故か恐怖の暴君という徒名になる。そんなに怖くなったのか・・・。 リュリア「こんちゃ〜。」 ウインド「こんにちは、リュリアさん。」 交番ではウインドとダークHがスーツ姿でいた。他にも2人ほどスーツ姿の女性がいる。 雰囲気から研修生に近いか。 ダークH「あ・・マスターっ!」 ウインド「お・・お久し振りですっ!」 大人の雰囲気が強かったウインドとダークHが、俺の姿を見るなり一瞬で童心に返っていく。 というか、以前の大人びいた性格が変わってないか・・・。 まあエシェラ達と違って抱きついて来ないだけいいのかも知れないが・・・。 ミスターT「相変わらずだな。普通に接してくれと言ったのに。」 ダークH「これが普通です。色々と考えたのですが、やはりこの姿の方が落ち着きますので。」 ウインド「マスターも全く変わられませんね。以前よりも優しくなられた感じが。」 ダークH「エシェラさんや皆さんが好かれる理由が分かった気がします。」 この2人の表情、恋する乙女の顔だ。これは・・・俺に対してか・・・。何とも・・・。 これも過去の俺の分け隔てない愛情の結果と言えるだろうな・・・。 ミスターT「ところで、こちらは?」 ウインド「今月配属になりました、リューアとテュームです。」 リューア「は・・初めまして・・・。」 テューム「よろしくお願いします・・・。」 3年前のウインドとダークHのようだ。でもお淑やかさがある分、当時の2人とは異なる。 ここは背中を押してあげた方がよさそうだ。 ミスターT「ウインドとダークHとは違って、自分自身を曝け出しているね。公務に忠実なのは大変 いいが、己を殺す必要はないよ。ありのままの自分で、自分らしく進むんだ。それこそ が自分に素直な生き様となるから。」 リューア「はいっ!」 テューム「ありがとうございますっ!」 元気一杯に礼を述べる。明るさだけならターリュとミュックに匹敵するだろう。この2人が 警察官だと、犯罪なんか起きなくなりそうな気がするが・・・。今後の活躍に期待かな。 エシェラ「お帰りなさい。」 本店レミセンに戻った。エシェラがウェイトレスとして出迎えてくれる。厨房はシンシアが 切り盛りしている。奥のテーブルにはラフィナとエリシェが資料に目を通していた。 ミスターT「学生服のウェイトレスもいいな。」 エシェラ「もうっ、からかわないで下さいよ〜。」 仕事着という概念がないレミセン。普段着のままでの作業が中心だ。学校帰りの働きとあり、 学生服にエプロン着用という姿で仕事をしている。マニアには堪らないものだろうな・・・。 何とも・・・。 リュリア「こんちゃ〜。」 エシェラ「おかえり、リュリアちゃん。それにリューアさんにテュームさんも。」 既にリューアとテュームは顔見知りだった。まあ4月頭から配属されたのなら、約3週間は 顔馴染みだろうから。 エシェラ「お母さんはどうなさいました?」 リューア「多分巡回中だと思います。」 ミスターT「もしかして・・・もう1人配属されてるのか?」 テューム「あ・・はい、私達の母も同じく今月から。」 親子でここに配属、ライディルは何を考えているんだ・・・。もっとしっかりとした地域で 活躍させた方が彼女達の為になるだろうに・・・。 ミスターT「2人は双子で、その母の子だよな?」 テューム「いいえ、違いますよ。」 リューア「私達もマスターと同じく、孤児院の出身です。ヴァルシェヴラームさんにお世話になり ました。」 この2人もヴァルシェヴラームの孤児院出か。双子で孤児だと大変だっただろう・・・。 となると2人の母親も孤児院出身かも知れない。 ミスターT「2人の母親は同じ孤児院出身か。」 テューム「よ・・よくご存知ですね・・・。」 ミスターT「何となくだよ。」 コーヒーを啜りながら振り返る。孤児は大体は養子縁組として引き取られるか、自立して 動き出すかのどちらかだ。 俺は引き取られる前に自立して動き出した。その結果が風来坊という結果になる。この2人 は別の道を歩みだした、言わばもう1人の俺自身だ・・・。 エシェラ「こんにちは、リデュアスさん。」 暫くして入店してくる人物がある。エシェラが名前で呼ぶ所、どうやら顔馴染みだろう。 そのリデュアスという人物を見て驚いた。エイラ達と同じく巨女そのものだ。 リデュアス「こんにちは。リューアとテュームもいたのね。」 リューア「巡回は終わったのですか?」 リデュアス「ええ、今はダークH先輩が行っています。」 なるほど、リデュアスも現役の警察官か。となるとリューアとテュームの母親は彼女だろう。 孤児院出身の人物が孤児を引き取る、ヴァルシェヴラームが聞いたら喜びそうだ。 ミスターT「お初です。リューアとテュームの母君、リデュアス嬢。」 リデュアス「え・・・、ど・・どうしてそれを・・・。」 シンシア「リデュアスさんね、彼は直感と洞察力が凄いから。」 自分の素性を言い当てた事に驚いているリデュアス。その彼女にシンシアが理由を述べた。 彼女の言う通り、直感と洞察力はヴァルシェヴラーム譲りの凄まじいものだ。 ミスターT「ミスターTと言います。既にご存知かと思いますが。」 リデュアス「あ・・貴方が母のヴァルシェヴラーム様や皆さんが仰っていた・・・。」 ミスターT「まぁ・・・伝説の風来坊で・・・。」 推測通りだ。彼女も孤児院出身で、そこから這い上がった人物と言える。雰囲気が俺に近い 事から、養子縁組をせずに出たのだろうな。またウインドやダークHよりも畏まっている。 しかも口調がエリシェと同じだ。孤児院出にしてはお嬢様の雰囲気が強い。 リデュアス「改めまして、初めましてミスターT様。リデュアスと申します。」 ミスターT「様は止してくれ、そんな大物じゃない。」 リデュアス「またまたご謙遜を。貴方の噂は聞いています、尊敬に値するお方ですよ。」 ダメだ、エリシェ以上に肝っ玉が据わっている。これはある意味ヴァルシェヴラーム以上 かも知れない。 ミスターT「お前さんは自分らしくいなよ。形作る必要もない、自然体でいい。それだけの美貌が 台無しだ。リューアとテュームみたいに可愛らしく、ね。」 リデュアス「もうっ、ミスターT様ったら・・・。」 しっかり頬を染めている。彼女も環境から無理矢理形作っていたな。少しでも肩を解せれば いいのだが・・・。 エシェラ「帰ってきて早々、私達がいながら何をやってるんですかぁ・・・。」 リデュアスに激励も込めた口説きをすると、凄まじい殺気の視線を感じる。いや、嫉妬の 嵐とも言うべきか。でも嬉しい限りだ。俺を思ってくれている事には変わりない。 ミスターT「女性がいれば口説くのは野郎の嗜みだよ。」 シンシア「・・・何か変わったねぇ〜。」 ミスターT「そうか?」 シンシアが驚きの声を挙げる。俺自身も以前までなら何らかの反論をするだろう。これも年の 功というものか・・・。嬉しいのやら悲しいのやら・・・。 リュリア「お兄さんいらないのなら貰っちゃうよ〜。」 エシェラ「な・・な・何を言うのよ!」 リュリア「さっき会った時に大好きだって言ってくれたから〜。」 そう言いながら俺に抱き付いてくる。何か3年前のエシェラを見ているような気がしてなら ない。ここは成長したと取ればいいのかな。 リュリア「お兄さん、私をお嫁さんに貰ってね〜。」 ミスターT「ハハッ・・・。」 リュリアに抱き付かれて告白され、エシェラから殺気のある目で睨まれてる。その遠くでは シンシア・ラフィナ・エリシェも同じく殺気のある目で睨んでいた。一触即発間違いなしの 状況と言えるだろう。何とも・・・。 でも、心から感謝したい。俺の帰るべき場所が残っていて、待っていてくれる人もいる。 俺自身が決めて進んだ生き様が、少なくとも周りに役立っているのだから・・・。 俺もここに骨を埋める覚悟を決めた方がいいな・・・。いや、この場合は取っ掴まって動け なくされそうだ・・・。 まあそれも俺の人生の1つなのだろうな・・・。 第1部・第18話へと続く。 |
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