13th 戦いの始まり
13th
戦いの始まり

「急げ!出口はもうすぐだ!!」
脱出を開始してから数十分、三人は最後の通路に差し掛かっていた。
「・・・・」
「アビス、どうしたの?そこを開ければもう出口じゃ・・・」
「やられた・・・ディスティニィめ・・・何か細工をしたようだ」
爆発音の続く中、扉は沈黙し続けている。
「細工・・・って、おいおいマジかよ、勘弁してくれ。」
「チッ、他を探すぞ、急げ!」
デス・フォ・ステアズが今来た道を引き返そうとする。
「他の・・・って、出口はここしかないんじゃないの!?」
引き返そうとするアビスをピースが引き止める。
「知るか、他に無いとも言えんだろう、ここが開かない以上他を探した方が・・・」
「アビス!危ねぇ!!」
頭上での爆発、それによってまるで計られたように今来た道は岩で塞がれてしまった。
「ア、アビス・・・大丈夫?」
「あ、あぁ、何とかな・・・しかし、これで万事休すか・・・」
目前に積み重なった岩壁を見上げ、溜息が込み上げる。
「何なら、あの扉をぶっ壊せば・・・!」
セブンスチャリオットが肩部キャノンを扉に向ける、しかしそれをアビスが制止する。
「無駄だ、これは完全な防護扉だ、AC三機でどうにかなるものじゃない」
「じゃあどうすりゃ・・・!!」
大きな爆発音が頭上で響く、そして、落石が降り注ぐ。
落石は辛うじて三機に当たることはなく、代わりに天井に大きな穴を開けた。
「アビス!あそこから出れるかも!」
「よし!まさに不幸中の幸ってやつじゃねぇか!爆発で塞がっちまう前に行こうぜ!」
「そうだな、行くぞ・・・!!」
穴を目指して三機のブースターが最大出力で噴き上げる。

廃工場外部
一際大きな爆発音とともに、次第に工場は形を崩していく。
「・・・終わった・・・」
崩れていく工場を見ながら、ピースが安堵の声と溜息を上げる。
「まだだ、これは終わりじゃない・・・始まりだ・・・」
炎上していく廃工場に背を向けアビスが言った。
炎が夕焼けの色に重なり、綺麗な赤色を彩っている。
「俺は最後まで奴等と戦う、奴等を・・・根絶やしにするまで・・・!!」
「アビス・・・」
「これは、誰の為でもない、俺自身が決めたことだ・・・お前らは・・」
言葉を続けようとしたアビスにナイトが割り込んで大声を上げた。
「何今更言ってやがんだよ!俺達だってお前と同じ気持ちだ、最後まで付き合ってやる!」
そして、ピースがそれに続く。
「そうそう、あたし達はさ、仲間じゃん?」
「・・・そうか・・そうだったな・・・。」
二人の言葉にアビスが苦笑しながら夕暮れを見上げる。
「・・戦いは・・・始まったばかりだ・・・!!」



end...






広い部屋に声が響いた、若い男の声と、無機質な女の声。
女が先に話し出した、無論、もう一人の男に向けてだった。
声は殆ど無かった、正確にはしていない、『音』がしただけだった、無機質な電子音のような音。
それに対して男が答える。
「へぇ・・・ヴォレッドじゃ役不足だったか・・・やっぱりね・・・。」
一瞬、間を置いてもう一度男が口を開いた。
「フフ・・楽しみだ、実に・・・楽しみだ・・・。」



not end...
to be continue...
〜投稿者 アビスさん〜

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

戻る