7th 終わりへの足音
7th
終わりへの足音


タロットofナンバー、ディスティニィの部屋。
「ディスティニィ!!」
アビスがディスティニィの部屋に到着する。
「・・フフ・・・来たか、アビス・・・。」
「・・・!」
ディスティニィはアビスが来ることを知っていたように、部屋の椅子に座っていた。
「アビス・・・お前がココに来ることくらいはお見通しだ、残念だったな、不意をつけなくて。」
「・・・何故だ・・・。」
「クク、頭の悪いやつだな、分かり易いように最初から話してやる・・・。」
ディスティニィがゆっくりと椅子を立ち、話し始めた。
「私はある組織に所属している、非合法研究組織だ、そこで私は強化人間の研究をしていた、だが研究は思うように進まなくてな・・・
そこで私はこう考えた『知ろうとするより、知っている人間に聞いたほうが早い』とね・・・さて、話は変わるが、知っているか?紅の民なんてもの存在しないことを。」
「・・・な!?」
「奴等も私と同じ、非合法研究組織だ、つまり、お前は奴等に作られ、私に売られる、そういう予定だった」
「・・・・俺の家族を殺した貴様の言葉が信じられるか!!」
「貴様に家族など、存在しない。」
「黙れッ!!」
アビスがディスティニィに向かって銃を放つ、が、銃弾はディスティニィを通り抜け、壁に穴を空けた。
「立体映像!?」
映像が消え、あたりにディスティニィの声が響く。
「話の続きが聞きたければ、ネオ・アイザックにある廃工場に来い・・・。」
「・・・・」
アビスが部屋を出ようとした直後、大きな爆発音と同時に辺りに警報が鳴り響いた。
「!?」
「緊急事態!緊急事態!基地にACの侵入を確認!!現在、敵は基地内を破壊しながら進行中!!繰り返す・・・」
アビスが部屋を出ようとした直後、壁をぶち破り部屋の半分をACが占めた。
「・・・ラスト・ヘル!?」
コックピットが開き、中からロキが出てくる。
「・・・・その声、アビスか?本人を見るのは初めてだな、何故ココにいる?」
「お前こそ、何故こんな所に?」
「・・・ディスティニィを探してる、奴は今どこにいる?」
「・・・。」
「答えろ、答えなければ殺す・・・廃工場か?」
「・・・そうだ、何故それを?・・・あ、おい!」
アビスの質問には答えず、コックピットに乗り、そのままラスト・ヘルは姿を消してしまった。
「・・・行っちまった・・・」

ガレージへの廊下。
「アビス!どこ行くんだ!?」
ナイトとピースだった。
「・・・・。」
「アビス?こんな緊急事態だったのに、どこにいたの?」
「お前等には・・・」
「関係ない?」
アビスより先にピースが口を開く。
「・・・」
「あのねぇ、これは私達にも十分関係あることよ?ちゃんと、理由を説明して」
「・・・分かった、言えばいいんだろ?」

「・・・これでいいな、俺は行く、止めるなら・・・容赦しない。」
「アビス・・・。」
「アビス・・・行け」
ナイトがアビスに対して言った。
「・・・止めないのか?」
「いいから行け!止める気は無い。」
「・・・いいのか?」
「ゴチャゴチャ言うな、気が変わらないうちに行け」
「・・・分かった、じゃあな、お前等にももう合わないだろう」
そう言い残し、アビスはガレージに向かって行った。
「ナイト、いいの?行かして」
「・・・あぁ・・・」

ガレージ
アビスがデス・フォ・ステアズに乗り込むと同時に通信が入る。
「アビス・・・。」
通信モニターにはカレントリィが映っていた。
「カレントリィ?何やってるんだ?」
「お前が向かってる所にいる。」
「!?」
「結局、俺の言ったことは気にしてないわけだ・・・。」
「・・・俺には関係ないことだ、そんなことより、何故そこにいる?」
「・・・。」
カレントリィが頭につけていたバンダナを外し、隠れていた片目を見せた。
「!・・・・赤い目!?お前も・・・。」
「そうだ、俺もお前を作った者の一人だ。」
「・・・。」
「ディスティニィへの復讐はやめろ、無駄だ、奴には勝てない。」
「・・・だが、俺は・・・行く、聞きたいことが残ってる」
「残念だが、あいつから話を聞くことはできない、奴は・・・俺が倒す!」
「え・・・?おい、カレントリィ!?」
通信はそこで途絶えた。
「くそ・・・あいつ・・・」
デス・フォ・ステアズが起動し、ガレージから出ようとした、その時。
「待て!!」
タロットofナンバーのMT部隊が数十機、ガレージに入ってきた。
「く・・・こんなときに!」
「反逆者アビス、ここで死んでもらおう!!」
MT部隊が攻撃にかかろうとした瞬間。
「うりゃあーーー!!!」
「!?」
基地の天井を突き破りセヴンスチャリオットとフォーティーンテンペランスが現れる。
「アビス!!何やってんだよ、早く行け!!」
「いや、お前らどこから出てきてんだよ・・・。」
「どこって・・・・上?」
「そういうことじゃなくて・・・!!」
MT部隊が攻撃を仕掛けてくる。
「アビス、ここは俺達が引き受けた!!早く行け!!」
「だが、そんなことしたら・・・。」
「お前をガレージに行かせた時点で俺達も反逆者扱いだ、黙って殺されるぐらいなら暴れてやるさ!!」
「そうゆうこと、早く!!」
「・・・悪いな!!」
デス・フォ・ステアズが基地を飛び立つ。
「さて、仕事開始だ、行くぞ、ピース!!」
「よーっし、やるかぁ!!」

ネオ・アイザック郊外、廃工場内部
「ディスティニィ!!」
「・・・カレントリィか、何の用だ。」
「わざわざこんなとこに来たわけぐらい、お前なら分かるだろ?」
「ククク・・・私を殺そうと?アビスを生かす為に・・・」
「・・・・・。」
「償いのつもりか?無駄だな、お前はここで死ぬ、それが運命だ。」
リヴァースハングドマンがフォーチューン・タワーに直進する。
「死ねぇっ!!!」
「小癪な・・・。」

廃工場、外部
「・・・ロキ!!」
デス・フォ・ステアズが廃工場に到着する。
「アビスか・・・。」
「・・・これはお前がやったのか?」
ラスト・ヘルの周囲には無数のMTの残骸があった。
「ああ、邪魔だったからな、消した・・・俺はここの別のとこに用がある、じゃあな。」
そう言って、ラスト・ヘルは工場の中に消えていった。

廃工場内部、第24ガレージ
「またこいつを見ることになるとはね・・・。」
ラスト・ヘルの向く方向に一機のACに似た機体があった。
「忌々しい記憶だ・・・消してやる!!」
〜投稿者 アビスさん〜

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