9nt 地獄の終わり
9nt
地獄の終わり


廃工場内部、第24ガレージ
ラスト・ヘルのバズーカが前方のルシファアに向けられる。
「・・・・・消えろ!!」
バズーカの弾がルシファアに着弾し、轟音と硝煙を撒き散らす。
「・・・な!?」
硝煙が薄れる先に微かに赤い光が揺れる、それは間違いなくルシフェルのカメラアイだった。
「動いている・・・のか!?」
土ぼこりが収まった先にいたのは紅く染まった堕天使、ルシフェルだった。
「オートパイロットか!?・・・ヴォレッド・・・奴の仕業か・・・」
完全に目を醒ましたルシフェルがラスト・ヘルを捕捉する、次の瞬間、ラスト・ヘルの左腕が肩ごと消し飛ぶ。
「!?・・・早い・・・。」
ラスト・ヘルがバズーカを構え、同時に撃つ、だがその先にルシフェルの姿は既に無い。
「何だと!?」
虚しくバズーカの弾が空を切り、壁に着弾した頃、ルシフェルのカメラはラスト・ヘルを捕らえていた。
ラスト・ヘルの真後ろで。
「後ろか!!」
気づいた時にはカメラが吹き飛び、ロキの視界は消えた。
「たかが・・・オートパイロット如きが!!」
何も見えない、だが攻撃されていることは明白だった。
「ヴォレッド・・・なぶり殺す気か・・・あいつのしそうなことだな・・・だが!」
ラスト・ヘルのコックピットが開く、硝煙の中赤い影が見え隠れする。
「さぁ・・・来いよ・・・!!」
ルシフェルが煙を掻き消しラスト・ヘルの正面に姿を現す、左腕から赤いブレードがラスト・ヘルのコックピット、ロキに伸びていく。
「クック・・・・堕天使か・・・ちょうどいい、俺と一緒に・・・」
間一髪、ラスト・ヘルがブレードを回避する、ルシフェルのブレードはコックピットをギリギリ外し、ラスト・ヘルの脇腹辺りを貫き、切り払う。
「地獄へ堕ちろぉぉーーー!!!」
ルシフェルのブレードが二撃目を繰り出そうとする、それ同時にラスト・ヘルのブースターが最大出力で火を噴く。
「お前を堕とすこと、お前をこの世から、消すこと!!それが俺の・・・存在だ!!!」
ラスト・ヘルがルシフェルを壁に叩きつける、当然ロキは怪我どころでは済まない。
「ハァ・・・ハァ・・・さて、ヴォレッドも道ずれにできないのは口惜しいが・・・それは別役がいるからな・・・どうやら、終われそうだ!」
ゼロ距離でラスト・ヘルのバズーカがルシフェルに向けられ、光を放つ。
「堕ちろ!・・・堕ちろぉぉーーーー!!」
一発、二発、三発、光が放たれるたびにルシフェルとラスト・ヘルは形を歪めていく、そしてルシフェルの体から勢いよく火が吹く。
二機が業炎に包まれ、数秒後、轟音が工場中に広がり、部屋中に土埃が舞った。
土埃が収まった・・・そこにラスト・ヘルとルシファアの姿は無かった。

廃工場内部、最深部前
ロキがルシファアを撃破したころアビスが最深部前に到達していた。
「・・・!」
長い通路に爆発音が響き、地震のような揺れが数秒続いた。
「ロキ、か・・・?」
「他人を気にしている場合か?」
中から声が響いてくる、数年間追い続けた声が。
「ディスティニィ!!」
最後の扉を開け、アビスは最後の戦いを迎えようとしていた。
〜投稿者 アビスさん〜

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